ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

実践施策を具体的なスケジュールに落とし込むことのもうひとつの価値とは【no.0847】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

 麻間(あさま)さんからもらったふたつのエクセルシート「年間スケジュール」と「月間スケジュール」を埋めているうちに、七海さんと友花里さんにはある疑問が浮かびました。

 友花里さんは早速、麻間さんにメールで質問をしてみました。

「麻間さん、おにぎり水産の友花里です。いま、七海と年間のスケジュールと月間のスケジュールを作成しています。ひとつ質問なのですが、先日決めたカイゼンアイデアについて、『実践する日にち』も決めなければダメですか?」

 10分ほどして、七海さんと友花里さんが話し合いをしている間に麻間さんからメールの返信が送られてきました。

「はい。実践する日も決めてもらえればと思います。可能ならば『実践する時間』まで決めてもらうと尚良いです」

 そんな返信が返ってきました。七海さんと友花里さんはまた話し合って、1日で実践することができないカイゼンについてはどうすればいいかを麻間さんにメールしました。

「麻間さん、友花里です。ご返信ありがとうございました。『実践する日にち』を決めた方が良いこと、できれば『実践する時間』まで決めた方がいいこと、わかりました。ありがとうございます。重ねて質問なのですが、カイゼンアイデアの中に1日で取り組めないものがあると思います。たとえば、優先順位3番の『クレジットカード決済の決済可能カードのアイコンを追加する』は1日で取り組めると思いますが、優先順位8番の『おにぎり水産と実店舗、スタッフの紹介ページをつくる』はとても1日では取り組めないと思います。写真を撮ったり、スタッフに取材をしなければいけません。こういった場合はどのようにスケジュールを組めばいいでしょうか?」

 また10分ほどすると、麻間さんから返信メールが送られてきました。

「友花里さん、ありがとうございます。いいところに気づかれていますね。たしかに、『おにぎり水産と実店舗、スタッフの紹介ページをつくる』は1日では取り組むことができないと思います。どんなページにするかを検討する時間も必要です。こういった実践項目の場合は、まず実現までの工程を想定して仕事を小分けにしてからスケジューリングをするのがポイントです。つまり、『おにぎり水産と実店舗、スタッフの紹介ページをつくる』をスケジューリングするのではなく、『おにぎり水産と実店舗、スタッフの紹介ページをつくる』ための工程をスケジューリングするんですね。まずは、『おにぎり水産と実店舗、スタッフの紹介ページをつくる』を実現するための工程を七海さんと友花里さんで話し合われてみてください」

 麻間さんからの返信を友花里さんが読みだすと、ほどなく七海さんもパソコンをのぞき込んできました。七海さんと友花里さんは一緒に麻間さんのメールを読みました。

「えっ、ってことはだよ。ネットショップのカイゼンアイデアを34項目考えたけども、実際にスケジュールに落とすのって、34項目以上あるってことじゃない?だって、他のカイゼンについても工程から考えなきゃいけないことってあるでしょ」

 七海さんは麻間さんのメールの「こういった実践項目の場合は、まず実現までの工程を想定して仕事を小分けにしてからスケジューリングをするのがポイントです」というところを指でなぞりながらいいました。

「麻間さんがスケジューリングをしようって提案した本当の目的って、ここにあるのかもね・・」

 友花里さんがボソっとつぶやきました。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。