ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

市場の流れが向いてこない・・そんなときこそ「原則」を見直す。【no.0814】

 市場の流れが全く向いてこない。ネットショップを運営していれば必ずあることだと思います。

 春に売れる店、冬に売れる店、季節的な要因が多く絡むネットショップもあります。不況や政治的な規制の変化などで一時的に売上が落ち込むネットショップもあります。ネットショップはサービス業ですから、お客様が他のことで忙しい時期に売上が落ち込むこともあります。

 自分たちでは変えられない「外的要因」によって売上が停滞する、アクセスが停滞する、転換率が停滞する・・長くネットショップを運営しているからこそ波があります。この波に襲われると「ずっと底が続くのではないか?」という疑念にかられますが、そんなことはありません。

 こういうときこそ、ネットショップの土台を原理原則から見直す時期でしょう。内的要因の土台をより強く作り直して、次の市場環境の変化に備えるのです。

 まず見直したいのがネットショップの運営のスケジューリングです。市場環境に恵まれている時期は、どうしても売ることが優先になります。当然、売ることが優先で良いのですが、攻めを続けているうちに陣形がバラバラになってきます。市場の流れが向かなくなったときは、まず陣形を見直すべきです。

 ちょうど2015年の年末です。2016年の年間スケジュールと、2016年1月の月間スケジュールを組み直すところから始めるのが良いと思います。

 2016年の年間スケジュールについては、現状想定ができていながらカイゼン活動が進んでいない事項と、市場への新しいチャレンジとしてのアイデアの事項のふたつをスケジューリングしていきます。それぞれの項目について「どうやったら実現が出来るか」のステップを考え、そのステップを年間スケジュールに書き込んでいきます。

 市場への新しいチャレンジについては「はたしてそれが本当に実現できるか」は、計画を立てる時点ではわかりません。まずはステップをイメージすること、それをスケジュールに落とし込むことを優先し、実践をしながらスケジュールを修正していきましょう。

 年間スケジュールには、ふたつの事項について複数のプロジェクトが同時進行で流れることになります。

 そして、月間スケジュールです。月間スケジュールでは1日1日、1月ならば31日間のすべての計画を立てていきます。書き込むのは上記のふたつの具体的なステップに加え、定期的におこなうデータ分析、ミーティングの日時、ルーチン業務です。

 ネットショップの運営において攻めに軸足を置いていると、カイゼンしようと思っていたことが後回しになります。市場の新しい可能性にチャレンジしなくなります。そして、ネットショップの運営をするにあたって「本当の土台」になっている定期的なデータ分析や販売スケジュール、WEBサイトのリンク確認、表記の更新漏れ、商品ページの細かい修正・更新などがぐちゃぐちゃになってきます。

 「気になったとき」「時間があるとき」「思いついたとき」におこなっていたことを、スケジューリングし直すことで「原則化」するのです。そして、スケジュールにしたがって仕事を回してくサイクルにネットショップを軌道修正していきます。地球が自転をしながら太陽のまわりを公転するように、年間スケジュール(=公転)、月間スケジュール(=自転)を作るのです。

 流れが悪いとき、これらをしっかりやるとある大切なことに気がつきます。ネットショップの数字が伸びない理由は、市場の流れが向いてこない「だけ」ではなく、半分以上の原因は「自分(たち)」にあるということを理解するのです。

 おわり。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。