ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

成果はモチベーションが下がった後にやってくる。自分の「決まり」をつくろう【no.0704】

 成果を得るためには、モチベーションが下がった後が勝負です、という話。

 誰しも新しい事業をスタートするときは、モチベーションが高い状態でスタートをします。ネットショップを始める場合もそうですし、自社メディアを始める場合もそうだと思います。「社長に言われたので、嫌々ながら仕方なくやっています」というような状態ではなく、「自分で考えて、自分で決めた」状態なら、モチベーションは高いはずです。

 スタート時の目標というのは、半ば夢みたいなものです。

 ネットショップであれば、「初月から100万円売れて、半年で月商1,000万円まで到達すれば、月給100万円取れるようになって・・」とか、自社メディアであれば、「半年で100万PVまで到達すれば、月20万円の広告が30本取れるようになって・・」とか、友人や知人、身の回りのから聞いた「いい話」を参考に捕らぬ狸の皮算用をどうしてもしてしまうものだと思います。私自身もそういう部分があります。

 人間なので仕方ないですし、世の中にはいい話ばかりが転がっているので、夢を見るのは仕方ありません。どこどこの会社がVCから投資を受けた、という情報は毎日のように入ってきますが、どこどこの会社が会社を清算したという話はあまり聞きません。本来であれば、VCから投資を受けた会社の数分だけ、IPOかM&A、もしくは清算の話が入ってこないとおかしいハズなのですが・・すいません余談でした。

 問題は、事業をスタートしてから果実を得るまでには時間がかかることです。

 世の中にはいきなり事業を成功させてしまう人がいます。それが意図的にできたことなのか、全くの偶然なのか、ともかく1発目から的の真ん中にボールを当ててしまう「選ばれた星のもとに生まれた」人です。しかし、99.9%の人はそうはなりません。コケて立ち上がって、コケて立ち上がって、七転八倒を繰り返しながら成功への道を歩んでいきます。ほとんどの人間は、「自分がやりたいこと」で事業を始めるので、なおさら試行錯誤のサイクルに入ることになります。

 事業をスタートし、モチベーションが高いうちは、容易に前進していくことができますが、次第にモチベーションが落ちてきます。なぜなら、そう簡単に結果が出ないからです。結果が出ればモチベーションを維持(もしくはさらに上げる)ことができますが、うまくいかなければモチベーションは下がるのみです。

 こうなると疑念がわいてきます。「自分の努力(カイゼン)が足りないから結果に繋がらないのか」もしくは「そもそもこの方向に進むことが間違いではなかったのか」。この疑心暗鬼こそが、最大の敵です。こうなると、どちらかといえば後者の「そもそも方向が間違っていたんだよね」パターンに落ち着くことが多いように思います。まだまだ「徹底的にやり抜いて」いないフェイズなのに、です。

 ほとんどの人はここで事業をやめてしまいます。やめなくても、放置状態にしてしまいます。ネットショプや自社メディアは、リアルの実店舗のような固定費がかからないので、特にです。モチベーションの低下は、スタートしてから1ヵ月~3ヶ月のうちに起こるというのが実感値です。大切なのは、ここを越えることではないでしょうか。

 そのためには、「1年間は結果が出なくても試行錯誤し続けること」「定期的に時間を取って、カイゼン案を考え実践すること」など、自らのルールを決め、それを軸にして動いていくしかありません。ネットショップも自社メディアも、商材や内容が違えば、運用する人も違う、会社の歴史も違えば、ブランド力も違う、競合が違えば、参入するタイミングも違う。すべてがある意味「初めてのケース」なわけですから、他と比較をしないことが大切です。

 他と比較しない。非常に難しいことですが、自分の「決まり」で進むしかありません。

 おわり。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。