ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

採用によってネットショップのWeb制作力を補う場合。【no.0181】

(前回のブログを読まれていない方は、まずこちらからお読みください)

 前回は、ネットショップ規模別の課題として、売上ゼロのフェイズについてお話ししました。ポイントとしては、Eコマース事業を「継続していく」ことをベースにして、兼任・専任の選択をすること。できれば、インターネット担当の専任が置ければベターであること。これが1点目。もう1つのポイントとして、Web制作のスキルがないことをどう補っていくかという話。初期の選択として「外注」と「採用」という2つのパターンのうち、「外注」する場合の注意点についてお伝えしました。

 今回は、社内にWeb制作力がないことを補うための「採用」という選択肢についてです。

 「外注」ではなく「採用」という選択肢を取る場合、要件として「Web制作ができる」というところだけではなく、「ネットショップの運営経験がある」くらいに幅を広げてスタートするのが良いと思います。「外注」の場合は、Web制作をしてもらうことが目的ですが、「採用」の場合は、どうせならばよりネットショップ業務に慣れている人を採りたいですよね。

 Web制作ができる人は比較的容易に補うことが可能です。Web制作会社を辞めて採用の市場に出てくる人も多くなっていますし、学生時代にダブルスクールや趣味としてWeb制作をしている人もいます。また、結婚して子どもを産んでから、スキルを使えないでいる元Web制作の主婦の方などもいます。ひと言で「採用によって補う」と言っても、正式に社員として採用するのか、派遣会社から採用するのか、Web制作系の専門学校に掲示してもらい学生インターンを採用するのか、はたまたクラウドソーシングでSOHOの方を採用するのか、いろいろな方法があるわけです。

 むしろ問題なのは、Web制作ができる人に対して、「どんな指示や依頼をすればいいのか」。こちらではないでしょうか。

 なので、できれば「ネットショップの運営経験がある人」を採用したいところです。単にWeb制作力を補おうと、スタッフを採用したとしても、ネットショップで売上をあげていくにあたって、何をすればいいのかがわからないと、Web制作力の持ち腐れ、ということになってしまいます。この点でも、すぐに「採用」の選択肢は使わず、できるだけ最初の数か月は、ネットショップ運営業務を既存のスタッフだけで行う、ということにチャレンジした方が良いかなと思います。やはり、ここでも「継続していく」ということをベースにした考え方が必要ということですね。

 ネットショップ立ち上げ、売上ゼロのフェイズの大きな課題であるWeb制作力の欠如を突破する方法としておすすめなのは、まず外注を使って、ネットショップの雛形を作ってもらうこと。社内のスタッフで、その作ってもらった雛形のHTMLや素材を触って、Web制作とはどういうものかを見様見真似したり、マニュアル本を読んだりしながら、“どのようにしてページが作られているのか”という「制作の原理」を身につけること。この「制作の原理」を知ることができれば、最低限のページが作れるようになりますし、Web制作力がある人とも共通の理解を持って指示・依頼をすることができるようになります。私もこの方法で、Web制作ができるようになりました。もちろんスキルレベルは低いですが、「原理を知っている」のと「全く知らない」のは大きく違います

 とにかくまずは自分でやってみることです。自分でやってみないと、作ったページが良かったのか悪かったのかを判断することができません。そして、やはり、自社の商品やサービスについて詳しく知っている人がWeb制作力を身に着けるのが望ましいです。プロダクトの背景や、企業の理念が知らぬ間に1つ1つのコンテンツに染み込み、ページに魂が入ります。やはり、作っている人だからこそ伝えられることってありますからね。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。