ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

次は「転換率」に注目してカイゼン策を考えてみよう【no.0770】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

「ネットショップは『アクセスしたけど購入しなかったお客様』の分析が簡単にできるということです」

 麻間(あさま)さんの言葉に、七海さんと友花里さんは「なるほど」と思いました。おそらくネットショップを自分たちで運営し、毎日ネットショップのデータをみていなければわからなかったことです。

「たしかに。実店舗はレジに商品をもってきてくれたお客様の数しかわからないですもんね」

 友花里さんはそういいました。七海さんは友花里さんに小さな声で「そうなの?」というと、友花里さんは「だって、レジを通すときにレシートに番号がでるじゃん」と七海さんに説明をしました。

「実店舗でも『来店客数』が取れないわけではありません。ただ、『笹かまオニギリ』のような毎日たくさんお客様がこられるようなお店では、お客様の数を数えるのは簡単ではないですよね」

 友花里さんは頷いて、「ちょっと数えるのは無理ですね」とこたえました。

「ここで次の宿題です」

 麻間さんが「宿題」という言葉を出すと、会議室に緊張が走りました。七海さんと友花里さんは「いったい何をいわれるのだろう」と、明らかにビクビクしている様子です。

「実店舗からネットショップにお客様を誘導するためのカイゼン活動は理解してもらえましたよね。そちらは引き続き動かれてください。次回のミーティングでも、新しいアプローチとその成果の報告をお願いします」

「はい。わかりました」。七海さんと友花里さんは声を揃えていいました。

「次の宿題として注目して欲しいのが、『転換率』です。『転換率』は以前説明しましたよね。はい、七海さん」

 「えっと。ネットショップにアクセスしたお客様が商品を購入してくれる確率、とかでしたよね?」。七海さんは少し自信なさげにいいました。

「そうですね。正解です。その認識で問題ないですよ。では、『転換率』の計算式を友花里さんお願いします」

 「はい。『受注件数÷アクセス人数』です」。七海さんとはうってかわって、友花里さんは自信をもっていいました。

「はい。正解です。では、今度はアクセス人数だけではなく、この『転換率』に注目してみましょうか。まずは、現在の『笹かまオニギリ』ネットショップの転換率をもう一度確認してみてください。そして、ネットショップの『転換率を上げるには?』のアイデアを考えてみて、私に報告してみてください。いろいろ話し合って、わからないことは何でも聞いてくださいね」

 「はい。わかりました」。七海さんと友花里さんはまた声を揃えていいました。

 麻間さんがいなくなった会議室で、七海さんと友花里さんは早速打ち合わせをおこないました。

「また宿題もらっちゃたね。どうすればいいかなんて麻間さんの方が詳しいんだから教えてくれたらいいのに」

 七海さんは少し面倒くさそうにいました。

「七海、まあいいじゃない。これも修行だと思って頑張ろうよ。それにさ、いままで毎日アクセス人数ばっかりを追っていたから、うちのネットショップの転換率ってどうなのかなんて気にならなかったよね。なんか楽しいじゃん」

 「まあ、そうだけど・・アクセス人数を増やす方法だって考えなきゃいけないし・・」。七海さんは不満そうです。

 そんな七海さんを無視して、友花里さんは日々つけている実行数値管理表をノートパソコンに開きました。そして、『転換率』を入力しているセルに背景色をつけました。

「ほら、七海。けっこう転換率も毎日動いてるんだね。5%、7%、3%、6%・・10%とか15%の日もあるよ!」

 友花里さんが盛り上がっているので、七海さんは仕方なくノートパソコンの画面をみました。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。