ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

在庫管理エクセルを作成して、在庫データの変化をみていこう【no.0956】

ネットショップを運営していく中で、

どうしても頭を抱えてしまうのが在庫

売上規模の小さなネットショップだけではなく、売上規模の大きなネットショップも常に在庫の問題に悩んでいます。というより、実は売上規模の大きなネットショップの方が、在庫対策は重要な課題です。たくさんの注文をいただくためには、基本的にたくさんの在庫を用意しておかなければいけません。

一見、売上が順調に伸びていたとしても、その裏で同じように数字を伸ばしているのが在庫。当然、「在庫=お金」ですから、売ることができればお金になって戻ってくるのですが、売れ残ってしまうとそのままロスになってしまいます。トータルでみると大きく赤字になっていた、ということになりかねません。

特に、商品数、SKU数が多いネットショップはどのように在庫対策を展開していけばいいのか、考えていきたいと思います。(商品数が少ないネットショップの対策は比較的楽なので)

在庫対策の具体施策をおこなう前に、まず押さえておきたいのが、

在庫数と在庫金額の合計です。

在庫管理のエクセルを作成します。左端から商品ID、商品名、在庫数、原価、在庫金額。この5つの項目を表記します。商品IDをキーにしますので、1商品ごとに在庫数と在庫金額を集計していくことになります。また、在庫金額の数字は「原価×在庫数」で算出されます。この部分については自動計算で結構です。在庫管理エクセルの最下部に、在庫数と在庫金額の合計を表示させておきます。在庫対策としては、この「在庫金額」の値が目標数値まで減っている、もしくは一定金額以下を保っていれば「問題がない」ということになります。

商品数、SKUの多いネットショップになると、この在庫管理のエクセルに500行、1,000行と商品IDが並ぶことになります。データ分析の原理原則として、同一期間同一条件での「過去と現在のデータの比較」をやりたいわけですが、あまりに行数が多いとその変化を追っていくだけでも疲れてしまいます。そこで、データ比較をわかりやすくするために2つの改善を行ないましょう。

ひとつは、在庫管理エクセルに前回集計時からの増減の列を加えます。前回集計したときの在庫数と今回集計した在庫数の増減、前回集計したときの在庫金額と今回集計した在庫金額の増減を加えます。在庫金額の増減の大きいものからエクセル降順で並べかえ、上位の30商品を注意してウォッチしていきます。動きが良い(在庫の減りが良い)商品には何らかの理由があるはずです。市場環境の変化(外的要因)であれば追い風が吹いている状態ということになります。「攻めどき」かもしれません。

もうひとつは、シンプルです。在庫管理エクセルを在庫数、もしくは在庫金額で降順に並べかえ、上位30商品を同一期間同一条件で比較し続けるという方法です。在庫数、在庫金額のどちらを重視するかはネットショップのスタイル、商材によっての判断で構いません。在庫金額の大きいものから優先的に対策を考えていくのが通常ですが、「商品の保管場所の確保」を在庫対策の優先事項として進めていく場合、在庫金額よりも在庫数の方を重視して改善をしていくことになります。在庫数が減った方が、在庫管理(保管)のコストが下がるわけです。

在庫への具体的な対策を考える前に、まずしっかりとした在庫管理エクセルをつくることが大切です。次回は在庫対策の具体的な考え方について紹介していきたいと思います。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。