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ネットショップの「競合分析」。数字をつかむことの難しさ【no.1009】

 市場で何が起こっているか。競合が何を起こしているか。自社のネットショップの数字を上げていく上で、やはり「市場分析」「競合分析」というのは欠かせない要素のひとつです。

 自分たちがおこなっている施策が、「思ったより効果が出ている」こともあれば「思ったよりも効果が出ていない」こともあります。これが単に「自分たちの努力」によって起こっている変化であればわかりやすいのですが、市場・競合の環境の変化によって成果が動いているケースも多々ありえます。

 「市場分析」「競合分析」というのは、ネットショップ運営においても成果数字を左右する重要なファクターです。今回は「競合分析」の考え方について紹介をしていきたいと思います。

 まず、「競合分析」をおこなうときの前提条件から認識を整えていきましょう。ポイントは、「競合分析」をおこなうときのふたつの視点です。ひとつは、「競合が何をおこなっているか」です。そしてもうひとつは、「競合の数字は動いているか」です。このふたつを意識して「競合分析」を進めると、より対策がクリアになります。

 ひとつ目の、「競合が何をおこなっているか」。これは文字どおりネットショップの「実践施策」ということになります。新しい商品を発売した、売れ筋の商品の在庫を追加した、広告を出稿している、商品ページの写真の撮り方を変えた、トレンドを意識した販促企画がスタートしている・・など、「競合ネットショップがお客様に向けておこなっているアクション」は日々変化をしていきます。

 もうひとつは、「競合の数字は動いているか」。これを読むのが非常に難しい。

 例えば実店舗の「競合分析」の場合。「競合が何をおこなっているか」という視点で考えると、どういったチラシを配っているか、店内のレイアウト・陳列はどうなっているか、どんな商品の価格を割安にしているか、目玉商品に何をもってきているか、店員さんの態度・・などを「自分の目」でみることができます。

 ネットショップの「競合分析」の場合でも、トップページ、カテゴリページ、商品ページ・・と閲覧していくことができますから、「競合が何をおこなっているか」は比較的容易に確認することができます。ただ、実店舗に比べて難しいのが、「競合の数字は動いているか」です。

 実店舗だと「競合の数字は動いているか」を確認する糸口があります。実店舗の前に一日張っていれば、どれくらいのお客様が入店しているのかがわかります。実店舗の中を見回してみれば、どのコーナーにお客様が集まっているか、お客様が何を目当てに競合の店舗に来店しているのかを何となく予想することができます。

 また、レジを通っているお客様の人数を把握することで、ネットショップでいう「受注件数」を予測することができます。同系統の店舗であれば「客単価」が大きく変わることもないでしょうから、「客単価×受注件数」が計算できれば、一日の「売上」が計算できます。

 実店舗の「競合分析」では、「競合が何をおこなっているか」と「競合の数字は動いているか」を繋げることが「やりやすい」わけです。逆にネットショップの場合、「競合が何をおこなっているか」はわかりますが「競合の数字は動いているか」の糸口がなかなかないのが悩み、になります。

 ただし、「競合分析」をするときに重要なことは、「競合が何をおこなっているか」と「競合の数字は動いているか」をできる限りセットで考える、ということです。「競合が何をおこなっているか」だけ、「競合の数字は動いているか」だけを論じても、十分な情報にはなりません。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。