ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ライザップの秀逸な手法。「毎食の画像を撮る」ことで「原因と結果」の関係性を掴む。【no.0634】

 一昨日のブログで、「ライザップから見習うべきポイント」について書きました。

 毎食、食事の画像を撮って、トレーナーにメールする。

 この手法は秀逸だと思います。これを会員に毎日・毎食続けてもらうことで、それだけでダイエットを実現してしまう人もいるでしょう。それくらい大切なことです。

 ライザップについて、会費が異常に高額であるとか、トレーナーが時給数百円のアルバイトだとか、そんな否定が流れていますが、あくまで会員の目的は「ダイエットすること」であったり、「体質を改善すること」です。その実現性に対して、お金を払っているわけですから、会費の話やアルバイトの話は否定のポイントがズレていると言えるでしょう。スポーツジムの選択権は会員にあるわけですしね。

 毎食、食事の画像を撮って、トレーナーにメールをする。それだけで、効果が出るという話をしました。

 まずひとつ目のポイントですが、「毎食必ず画像を撮る」ということです。これは「気になったときに」「思いついたときに」「余裕があるときに」では、効果がありません。1件の漏れもなく「毎食」だからこそ価値があります。1日3食、1回1回の食事に対して、画像を残すことを習慣化させていくわけです。「できるときにやる」では、習慣化しません。

 「毎食必ず画像を撮る」ことで、自分の食べたもの、つまり「自分の身体を作っている原因」を履歴として残すことができます。漏れずにです。ダイエットとは、「摂取カロリー」と「消費カロリー」のバランスですから、「毎食必ず画像を撮る」ことで「摂取カロリー」の行動履歴をすべて残すことができるわけです。

 そしてもうひとつのポイントは、「トレーナーに送る」こと。毎食必ず画像を撮っているか否か、トレーナーがチェックするわけです。毎食必ず画像を撮るというのは、トレーナーとの絶対的な約束です。「毎食必ず画像を撮る」というのが、自分の中だけで決めたことならば、どうしても「できるときにやる」に意思が揺らいでしまいます。しかし、トレーナーにチェックされているならば、「毎食必ず画像を撮る」に気をつけ、継続しやすいのではないでしょうか。(もちろん、それでも脱落する人間はいます)

 トレーナーがチェックをすることで継続しやすくなるということは、それだけ習慣化しやすくなるということです。習慣化は継続から生まれるからです。おそらく、送られてきた食事の画像をトレーナーがチェックして、「ちょっと今日は摂取カロリーが多いです」などのアドバイスをするのでしょうが、たとえそのアドバイスがなかったとしても「毎食、食事の画像を撮って、トレーナーにメールする」というのは、確実に効果が出る、秀逸な方法だと思います。

 ダイエットだけではなく、ビジネスも、人生もだと思いますが、大切なのは「原因と結果」の関係性を掴むことではないかと思います。「自分がこういう行動をしたから、人を不快にさせてしまった」「自分がこんな発言をしたことが、結果的に昇進に繋がった」「毎日10社営業のノルマを課したら、売上が10%伸びた」など、経験を重ねるというのは「原因と結果の関係を探していく」ということに他ならないと思います。

 そういう意味でいうと、このライザップの手法は非常に原理原則に根付いた方法です。よく本屋に置いてある「これをやったら簡単に痩せられる」系の本よりは、よっぽど真っ当な仕組みだと思います。ただ、過剰なダイエット実績をつくるために、会員に健康を損なうくらいの要求をしているとすれば、そこは問題ですね。等身大のダイエットをコーチングできるなら、素晴らしい方法だと思います。

 おわり。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。