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何をやればいいかはわからないけれど、やったことが良かったか悪かったかはわかる【no.0455】

 何をやればいいかはわからないけれど、やったことが良かったか悪かったかはわかる・・

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

 「なんか、猪井氏(いいし)先生って怖いですね」。麻間(あさま)さんの話を聞いた鬼切社長は言いました。

戦略や戦術はすでにきまっている。いかに日々試行錯誤するか

 「まあ詰まるところ、『人が動いてくれるか否か』ですからね。戦略や戦術はすでにある程度決まっています。それを日々いかに試行錯誤してブラッシュアップできるか。それが成功するか否かですからね。試行錯誤するのは当然『人』ですから。やっぱり問題は『人を動かす』なんですよね。猪井氏にいつも言われています」

 そう言った麻間さんは優しくニッコリと笑いました。

 「在庫の話に戻りますね。500,000もの商品をネットショップの在庫としてもっている会社さん、同時に実店舗や問屋をやられているケースが多いです。中にはインターネット専業の事業者さんもおられます。しかし、ネット専業で最初から大量のアイテム数を用意するのは無謀です。相当なシステム力が必要になりますね。さっきお話ししたような、日次でキャッシュフローまで計算するようなシステムが」

 「なるほど。元々、実店舗や問屋をやられていた事業者であれば、商品の現物があるわけですからね。さらに販路が広がって良さそうな気がします。でも写真を撮ったり、商品を登録したりするの大変じゃないですか?そこも500,000商品分、ページを作らなくてはいけないのでしょう」

選択したことが良かったか、悪かったかはわかる

 「鬼切社長、いいところ指摘されますね。その通りです。実店舗や問屋は、在庫のリスクも少なく、販売チャネルが広がる可能性を持っています。ただインターネットに商品を掲載するという点では他の会社と条件は同じです。そこは自社で商品を撮影してページの登録作業を行っているところもあります。また全て外注に任せている事業者さんもおられますよ」

 鬼切社長はメモを取りながら、麻間さんに質問をしました。「それって内製と外注のどちらがお得なのでしょうか」。そう言った後、「あ、お得という表現もヘンですね」。そう鬼切社長は言い直しました。

 「おっしゃっている意味わかりますので、大丈夫ですよ。難しい問題ですね。たとえば撮影や説明文のクオリティの問題、商品カテゴリの問題もあります。あとは販売価格の違いもありますし、どの手段が良いかは一概には言えないんです。言えることがあるとすれば、ひとつは『経営者の考え方次第』ということ。もうひとつは、『何が良いか』はわからない。けれども、『選択したことが良かったか、悪かったかはわかる』というところですかね」

経営者の考え方次第には、良いも悪いもない

 「麻間さん。それは何だか、猪井氏先生がおっしゃってそうなことですね」。鬼切社長は、小さく笑いながら麻間さんに言いました。

 「ははは。バレましたか。『何をやればいいかはわからない。けれど、やったことが良かったか悪かったかはわかる』って良く言っていますもんね。実はこれ、私もよく言うんですよ。猪井氏の口癖がうつってしまったみたいで‥。でも本当にそうだと思います」

 「ちなみに、『経営者の考え方次第』というのは、具体的にいうとどういうことですか?すいません。質問ばかりで‥」

 「いえいえ、いいですよ。ページ制作を内製したいという経営者がいれば、外注したいという経営者もいます。内製を考えられる経営者は『自社にノウハウが残る』ことにポイントを置かれています。逆に外注する経営者は『得意な人に任せた方が良い』と思われることが多いです。どちらが良いとか、悪いとかはないですね。前者は、『ノウハウが残らない。ノウハウまで行きつかない』というリスクがあります。後者は『自社にノウハウが残らない。お金がかかり続ける』リスクを抱えています」

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。