ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ITシステム会社(SIer)だって、WEBを使えば競争力を高められる【no.0857】

 先日の中小機構さんの広島での講演会後に名刺交換にこられた経営者さんがいらっしゃいました。

 現状、システムの受託開発会社(SIer)をやっているが、支援企業さんからWEBに関する問い合わせも多くあり、WEBの制作・開発に参入されようと考えられているとのことでした。

 WEBの制作・開発を請け負う会社としては後発になるので、ECMJがセミナーでお話しているような「マーケティングの原理原則」をベースに提案できると面白いですよね、という話でその経営者さんと盛り上がりました。

 ただ単にネットショップを制作できる開発できる、というだけではなく、ビジネスモデルの提案、運用カイゼンの提案など、マーケティングの視点からサービスを提供できるようになると、SIerといえどまだまだ差別化をすることが可能だと思います。

 幸いなことに弊社ECMJの取締役である片貝さん経由で、ITシステム会社・SIerに知り合う機会が多いのですが、システムの開発、WEBサイトの制作に従事しているところが多く、そもそものビジネスモデルの提案、運用カイゼンの提案までできているところは少ない印象です。

 悪い表現になってしまいますが、システムやサイトを納品して「あとは頑張ってね」になってしまっている部分があります。

 東京のシステム会社でさえそうなのですから、広島のシステム会社がWEBサイトの制作・開発ではなく、ビジネスモデルの提案や運用カイゼンのマーケティングを説くことができれば、まさに「鬼に金棒」になるのではと思います。(もちろん、広島を悪く言っているわけではありません。悪しからず)

 地方都市であるから故にチャンスがある、ということです。インターネット上では情報伝達のズレはありませんが、リアルの情報伝達ではまだまだズレがあります。ここをガンガン活かしていくべきです。

 ネットショップ専業の会社、個人商店がネットショップを始めるケースではあまりないのですが、企業がネットショップを始める場合、社内のシステムを開発・構築・管理しているシステム会社がWEB(ネットショップやホームページ)を提案するのが通常です。

 また、すでに社内のシステムを構築しているとすれば、商品マスターや在庫データベースなどとWEB(ネットショップ)を連動させてマーケティングの仕組みをつくることも可能です。特にネットショップはWEBサイトのフロント面だけではなく、注文を受けた以降のデータ処理や在庫管理の土台が重要ですから、システム会社がWEBを提案する必要性はまだまだあると考えられます。

 WEB専門の会社だからこそ提案できるサービスがあれば、システム会社だからこそ提案できるサービスがあると思うのです。

 SIerとしての次のサービスを考えられているシステム会社も多いと思います。まずはWEBについて知ること。パートナー、アライアンス含めWEBサイトを制作・開発できる体制を整えること。自社の既存のノウハウとWEBを組み合わせたときに、どのようなサービスが展開できるのかを考えること。そこからビジネスモデルの提案の枠組みをつくってみること。そして、デジタルマーケティングの原理原則を理解し、運用カイゼンについてクライアントに語り、運用カイゼンを含めた提案をできるようにしていくこと。

 これがシステム会社の生き残る道のひとつなのではないかと思います。開発力の他に、コンサルティング力が必要になる時代です。お客様が欲しがっているのは新しいシステムではなく新しいビジネスでしょうから。

 おわり。

 

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。