ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「競合分析シート」の活用でみえてきた事業の成長【no.1504】

 「師範」として定期的に勉強会の講師をさせてもらっている上越市の「ネットショップ道場」でちょっとした発見があった。

 ちなみに「ネットショップ道場」とは新潟県の上越市と中小企業基盤整備機構の共催イベントで、全10回のネットショップ勉強会。縁あってオファーをいただき、5月から月1回の勉強会講師を務めさせてもらっている。「道場」なので、いちおう「師範」と呼ばれている。

*「競合分析シート」を作成するとみえるもの

 ちょっとした発見とは、「競合分析シート」の活用だ。たしか10月の勉強会のテーマが「競合分析・市場分析」だった。その中でECMJが独自に作成した「競合分析シート」を道場メンバーの皆さんに配布したところ、私が思っていた以上に活用してもらえたようなのだ。

 道場は前半をテーマに沿ったミニセミナー、後半を道場メンバーの個別相談の時間としている。事業者さんによってネットショップの取り組み方は様々なので、前半で学んだネットショップの考え方やノウハウを、「どうやって自社の業務に落とすのがよさそうか」それを個別面談の時間を使ってフォローアップするのが狙いだ。

 ここに「競合分析シートを活用してみましたよ!」という事業者さんが数社いた。

*「競合分析シート」を使って、具体的な改善施策が見えてきた

 「競合分析シート」の活用として報告いただけたことをふたつほど紹介していく。

 ひとつは「競合分析シート」に明記されている競合のチェックポイントをみることによって、自社のネットショップの具体的な改善施策が見えてきました、という報告だった。うれしい報告だ。競合ネットショップをただぼーっと眺めていても、どこから自社に手を付ければいいのかわからない。また、複数人で競合分析をする場合、個々人によってみているポイントがバラバラになる。

 「競合分析シート」を競合ネットショップの調査をするための「軸」にすることで、よりポイントを絞って分析を進めることができる。ネットショップチームメンバーとの議論も活性化する。「競合分析シート」で調査の「軸」が明確になっているのが助かるという話だった。

*「競合分析シート」を使って、自社に近い競合ネットショップが見えてきた

 もうひとつは「競合分析シート」を使うことで、より自社のネットショップの規模に近い競合ネットショップを意識するようになった、という報告だ。こちらも非常にうれしい報告だ。もしかしたら自社のネットショップのビジネスモデルが転換するかもしれない発見かもしれない。

 これまでは「競合」というと自社のネットショップよりもはるかに大きいネットショップやブランドや実店舗を意識することが多かった。それはもしかしたら「競合」というよりも「目標」に近い存在だったかもしれない。「競合分析シート」を意識してチームメンバーと会議をしたところ、自社の規模に近いネットショップを見つけることができたというのだ。

 規模の近いネットショップを「競合」に据えることは、多くの面で参考になる。商品力・提案力・サービス力・コンセプト・予算の使い方など。中小企業だからこその「工夫」がみえてきそうだ。

*一歩進む具体的な方法があれば改善はグッと楽になる

 「競合分析シート」がこれほど活用され、また多くの気づきを生み出すことになるとは私自身予想をしていなかった。道場メンバーの皆さんから学ばせてもらったのは、理屈だけではなく「一歩進む具体的な方法」があれば、改善はグッと楽になるということだ。

 そして「ネットショップ道場」に参加してくれるほどの意識の高い事業者の皆さんならば、その「一歩進む具体的な方法」を得ただけで要領をつかんで自走していってくれる。もっともっと「一歩進めるワークシートを作成する」2018年の大切なテーマをもらった気がしている。

 おわり。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 5.Eコマースの分析

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。