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行動は「再現性がある」から自信がもてる【no.2056】

 数カ月前からNHKオンデマンドに加入しています。Amazonプライムビデオを経由すれば有料チャンネルも簡単に契約できるんですね。以前から興味はあったのですが、2-3回のクリックで加入することができました。この仕組みは本当にすごい。

 ドキュメント72時間や映像の世紀。元々気になっていたコンテンツをひととおり見た上で、いまよく見ているのが「プロフェッショナル仕事の流儀」です。超有名な番組ですので、何をいまさらという感じではありますが。

全国を回るフリーの販売員の話

 なるほどと思ったのが、とある「プロ販売員」の方の話でした。

 実際に番組をご覧になった方もいるかもしれません。この方はフリーの販売員として、全国を回っている女性です。商材や店舗は様々です。デパートの和菓子屋さんのときもあれば、スーパーの試食のときもあります。ホームセンターで家具を売ることもあります。全国の販売店から依頼をうけ、数日・数週間の単位で仕事をうけているのです。

 販売員の女性のメガネに隠しカメラを付け、科学的な分析もおこなっていました。お客様を接客するときにどこをチェックしているのか、どんな動きをするのかなど。

何度も何度も改善を重ね最終的に「売る」

 このプロの販売員の女性は「わたしに売れないものはない」と言います。商材や販売する場所は違えど、提案や接客の原理や考え方は変わらないというのです。

 街の大型家具販売店でベッドを売る、というシーンがあります。初めてベッドを売るということで、ベッドの一般的な知識や商品ごとの特徴を学びます。そして現場では、過去の経験からお客様の傾向を把握し、学んだ知識を「提案」というカタチでお客様にぶつけていくのです。

 商品の一般知識と特徴的な知識を学び、お客様の特性に合わせて提案方法を変える。Eコマースでも変わらないビジネスの基本を自分の中で設計していっているわけです。

 初日、二日目と距離のつくり方や提案が上手くいかないのですが、さすがはプロ。時間を追うごとにお客様への提案をチューニングしていきます。最終的には数十万円のベッドを売るのです。何度も何度も改善を重ねていたのが印象的でした。

「一番よい言葉」をひたすら探す

 最後のシーンでは、オンラインでの販売にチャレンジをします。コロナ禍によりスーパーでの試食販売を開催しづらくなった会社の依頼です。スーパーにモニターを置いてのリアルタイム販売にチャレンジするのです。そのテストとしてこちらの女性が呼ばれます。

 本社の会議室からモニターごしにお客様に話しかけます。しかし、なかなかお客様は立ち止まってくれません。ちらっと見ても素通りするお客様がほとんどです。そこでプロ販売員の女性は最初に発するお客様への言葉を微妙に変えながら、「どの言葉が一番立ち止まってもらえるか」を探していきます。

 かける言葉を少しずつ変えながら「いまの言葉で立ち止まる確率が10%上がりましたね」などというのです。最終的には「いまわたしとあなたは繋がっています」というような言葉に落ち着きます。「『わたし』という言葉を入れるかで20%変わりますね」なんてことをいうんですね。

行動は「再現性がある」から自信がもてる

 我々、ネットショップを営む事業者として、言葉に対するこのこだわりができているか。このコンテンツをみて改めて感じました。自分たちがベストだと思っている文言(キャッチコピー)でもまだ確率を上げられるかもしれないわけです。

 このプロ販売員の女性がなぜ「わたしに売れないものはない」と言い切れるのか。それは、「結果がでるまで細部を改善し続けるから」と言っているのではないかと思うのです。つまり、「売れる」という結果に対して自信を持っているのではなく「細部を改善する」という行動に対して自信を持っているのではないかと。

 もう一歩踏み込めば、結果は水物であり、行動は「再現性がある」ものと言えるのではないでしょうか。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。