ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「ECコンサル」はすでにない?そこにあるのは「マーケティングコンサル」だけ【no.2208】 

 リアルとネットのマーケティングの境がなくなってきています。もしかしたら、「なくなってきている」のではなく、「なくなった」のかもしれません。本当の意味でのデジタル時代の到来です。すでにデジタルという言葉が使われることもなく、マーケティングの中に「デジタル」が取り込まれてしまった可能性すらあります。

 おかげさまで、なのかわかりませんが、ECMJでもいわゆる「ECコンサル」の仕事はすでに全体の15%以下になりました。

*リアルとネットの「一本の軸」をつくる

 Eコマースはあくまで、販売チャネルのひとつ。お客様と接点をもつための手段のひとつです。さらに言えば、「サイトに集客して、商品の良さを伝え、購入してもらう」という、従来のECサイトの価値はすでに失われつつあります。SNSでの接触やYoutube動画などを通じて、ECサイトにお客様がきた時点で「すでに購入を決めている」場合すらあります。

 そう考えれば、「ECコンサル」という仕事はすでになく、必要とされるのはリアルとネットのマーケティングを、その会社にあったカタチでいかに「一本の軸」に変えていくか、その仕事です。ECMJのお仕事のご依頼も、リアルとネットが融合した「一本の軸=全体のマーケティング」に変化しているのは、非常に喜ばしいことです。世の中のマーケティングが進化している、ということの証明ですから。

*現代のマーケティングのセオリー

 ネットでのお客様との接触をいかにリアルにつなげていくか。リアルでの体験をいかにネットでの発信につなげていくか。その過程でまた新しいお客様(フォロワー)が生まれ、ネットでの情報を浴びていただき、その新しいお客様をいかにリアルにつなげ、体験化し、リアルとネットを問わない「コミュニティ化」していくか。これが現代のマーケティングのセオリーです。

 そして、この一連の過程(一本の軸)をツールとして埋めるのが、SNSであり、動画であり、コミュニケーションツールであり、AIであり、MAであり、ECサイトであり、商品・サービス開発であり・・そして、それらのツールを活用した自らのビジネスが「正しい方向」に進んでいるかを検証するのがデータ活用であり、そして最終的にデータを活用しつつ、全体の判断を進めていくのが「組織」であるわけです。つまり、「人」です。最終的には人に落ちます。

*マーケティングの原則は変わらない

 ツールという点では、現状引き続きポイントになるのは「LINE」です。InstagramやTikTok、Xも当然重要なツールなのですが、いかんせん対象としている世代が限られる、そしてBtoC性が強い。リアルとリアルをつなぐ、ネットとネットをつなぐ、リアルとネットをつなぐ、そしてBtoCだけでなくBtoBでも活用できる。それがLINE。さらに世代があまり関係なく利用されている。とくに年齢層が高いほど、他のツールよりも利用率が高い。メルマガとLINEの既読率は、圧倒的にLINEの方が高い。LINE公式アカウントをいかにしてお客様にフォローしてもらうか、ここが重要なポイントになります。

 とはいえ、ツールは時代とともに変化します。LINEがリリースされたのは14年前の2011年。それまではLINE自体なかったわけですから、今後新しいツールに置き換わる可能性があります。というか、どこかで新しいツールに置き換わるでしょう。しかし、マーケティングの原則は変わりません。

 「お客様にどうやって知ってもらうか」そして「お客様にどうやって選んでもらうか(選び続けてもらうか)」。これを「一本の軸」として、軸を太く強くするためにどんなツールをどう活用していくか。マクロな目線とミクロな目線でマーケティングの判断ができるチームがあらゆる会社に必要になります。もしかしたら今欠けているのは、どちらかといえば「マクロな目線」なのではないかという気もします。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから