社会人の勉強とは、「人に会う」こと。【no.2232】
社会人になると、「勉強する」という機会が極端に減る人が多いようです。
学生のころは、学校に行けば授業があり、定期的に試験という目標がある。否応なしに勉強をする仕組みがありました。しかし社会人になると、自分で学ぶ理由を見つけ、自分で時間をつくらなければいけません。だからこそ、多くの人が「勉強しなければ」と思いながらも、実際には行動できないまま日々が過ぎていくのだと思います。
*「勉強」が学生時代の延長線上にないか?
ある調査によると、日本の社会人が1日に勉強に使う時間は平均でたった13分。さらに、「1分も勉強していない」と回答した人が全体の半数を超えているそうです。この数字を見ると、あらためて「勉強とは何か?」という定義そのものを考え直す必要があるように思えます。
多くの人が想像する「勉強」は、学生時代の延長線上にあるのではないでしょうか。
本を開き、知識を吸収し、資格を取るために机に向かう。社会人の場合ならば、プログラミングや英語、Excelなどの実務スキル、あるいは中小企業診断士や宅建、MBAのような資格取得が「勉強」として浮かぶのではないでしょうか。もちろんそれらも立派な勉強です。しかし、ECMJとして(つまり私)の考えは、社会人にとっての勉強とは「人に会う」ことだと思っています。
*「人に会う」こそ、最大・最高の学び
「人と会う」ことは、最も濃密で効率的な学びです。
相手がどのような価値観を持ち、どのような経験をしてきたのか。自分とは違う背景や業界にいる人と話すことで、自分の世界の輪郭が広がっていきます。また、自分が目指す未来にすでに近づいている人、あるいはずっと先を歩いている人と話すことで、自分の進むべき道が見えてくることもあります。本や参考書のように「万人向け」に整理された知識も大切ですが、人との会話は、今の自分の興味や課題にぴったりと合わせて学びを得ることができるのです。
人と会うことで得られる学びにはふたつの方向があります。
ひとつは「自分を広げる」学び。年齢も職業も価値観も違う人と会うことで、自分が知らなかった考え方や感じ方を吸収できる。もうひとつは「自分を深める」学び。自分が目指す方向にいる人と会い、具体的な経験や思考を聞くことで、自分の軸が研ぎ澄まされていく。このふたつの学びを意識的に行き来することが、社会人にとっての「勉強」なのではないかと思うのです。
*より時間の濃度を高めるために
ただ、人と会うというのは偶然だけで成り立つものではありません。
良い出会いを生むためには、良いコミュニティに所属することも大切です。同じ意思や価値観を持つ人たちが集まる場。そこでは、特別なテーマを設定しなくても、自然と話題が「より良くしていくこと」や「自分を成長させること」に向かっていきます。そのようなコミュニティにいる時間の濃度を高めていくことが大切です。もし身の回りにまだそうした場がないなら、自分で作ればいい。ふたりでも三人でもいい。価値観を共有できる人たちと話す時間を増やすことこそが、最大の学びの時間になるはずです。
結局のところ、社会人にとっての勉強とは「人に会い、話し、刺激を受け、考えを更新していくこと」なのだと思います。本を読むことも資格を取ることも大切ですが、誰かと出会い、話すことで得られる「生の知恵」は、どんなテキストにも書かれていない学びです。勉強とは、人との対話を通じて、自分を少しずつ書き換えていく行為。そう捉えられると、日々の出会いそのものが、すでに最高の勉強時間になるのではないでしょうか。
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