ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

感情を動かし、論理で納得させるECページ設計【no.2256】

 商品ページは、ネットショップにおける購買決定の最終地点です。

 しかし、近年はSNSやYouTubeなどで商品を知り、すでに購入を決めてからECサイトに訪れるお客様も増えています。そのため、かつてのように商品ページだけで認知から説得までを担う時代は終わりつつあります。とはいえ、商品ページは「購入前の最終確認の場」であることは変わりません。必要な情報が揃っていなければ、せっかく興味を持ったお客様も離れてしまうことも多々あります

 商品ページを設計するうえで意識したいポイントは大きく三つです。

*お客様は「自分のケース」を探す

 ひとつ目は「お客様は必ず自分のケースを探している」ということです。お客様は常に「これは自分に合うか。自分に必要か」という目線で商品を見ています。自分のケースに当たらない一般的な情報など、本質的にはお客様にはあまり必要でないのです。仮に同じ効果を持つ商品でも、40代男性と60代男性では感じ方が違います。だからこそ、たとえば「筋力アップ」といった一般的な表現だけでなく、年代や用途ごとにページを分け、訴求の仕方を最適化することが有効なのです。もちろん、すべての対象ごとにペースをつくるわけにはいきませんから、自社の商品に最適な対象顧客を探すことになります。対象の顧客は、「自分のケース」を見つけた瞬間に、商品を「自分ごと」として受け止めます。

 ふたつ目は「感情を揺さぶって論理で落とす」という考え方です。まず商品ページの冒頭ではお客様の感情に訴える必要があります。「これ欲しい!」「かっこいい!」「かわいい!」といった直感を動かすのは、印象的な写真やキャッチコピー、動画といった要素です。そして一度お客様の感情を動かしたら、その後は論理的に商品の購入を「正当化」できる理由を提示していくのです。「体に良い」「今だけ特典がある」「多様なシーンで使える」といった説明を積み重ねることで、感情で盛り上がった気持ちを理屈で納得させ、お客様に安心して購入に踏み切ってもらえるようになります。

 そして重要なのは、商品ページは必ず競合商品と比較されている、という前提に立つことです。お客様はほぼ必ず競合ネットショップの商品ページを見比べながら購入を検討します。その際、自社のページに足りない要素があると、不安や疑問が解消されずに離脱してしまう可能性があります。競合のページを観察し、自社に不足している情報を補うことが欠かせません。補うべき典型的な要素としてFAQや保証、配送条件などの不安解消情報が挙げられます。もちろん競合他社がしっかり提示していて、かつ自社があまり触れていないポイントがあれば、それも補っていきましょう。比較を想定してページを磨くことが、選択動機を強化します。

*きれいな写真だから売れるわけではない

 商品ページについて、ひとつ私の具体的な経験談をお伝えします。

 かつて私がネットショップの運営者をしていたとき、999円のジュエリーというエントリー商品を販売していました。古いデジタルカメラで撮影した少し粗い写真を使って販売していた商品です。ある日、商品を新しい機材で撮影した写真に差し替えたところ、コンバージョン率が下がってしまったのです。おそらく、商品の価格や実態に写真が見合わなかったことが原因だったと考えられます。安価な商品を過度に高級そうに見せると、逆に「怪しい」と感じさせてしまうのでしょう。ページに使う写真やビジュアルは「できるだけ綺麗で高品質であれば良い」というものではありません。商品の価格や現実感にふさわしい水準であることが大切なのです。

 商品ページの設計を考えるうえで大事なのは、ターゲットが「自分のケース」を見つけられるかどうか、感情を動かしてから論理で納得させられるかどうか、そして比較検討に耐えうる内容かどうか。この三つを押さえることで、商品ページは単なる情報の羅列から「選ばれるページ」へと変わっていきます。そして写真やビジュアルについては、高品質であれば良いのではなく、商品の実態や価格に即した一枚を選ぶことが成果につながるのです。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 2.Eコマースを続ける, 7.Eコマースのひと工夫

メルマガ登録 Mail Magazine

ECMJでは不定期のメールマガジンを配信しています。メルマガにご登録いただくと、最新ECトレンドや売上改善事例、マーケティングチームの内製化ノウハウ、登録者様限定のホワイトペーパーなどの情報を最速でお届けします。今すぐ活かせる&本質的なマーケティングの情報です。

    ishida

    石田 麻琴 / コンサルタント

    株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから