ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

時間を先に確保しよう。マーケティングが後回しにならない習慣づくり【no.2264】

 ECのマーケティングを内製化していくとき、最も大きな課題は「時間の確保」です。多くの企業で「わかってはいるけれど、なかなか実行できない」状態になってしまうのは、実はスキルやノウハウが不足しているからではありません。単純にECのマーケティングに使う時間が確保されていないからです。

*時間を先に確保し、タスクを後入れする

 すでに既存事業をかかえている企業では、優先順位が「既存業務 → 顧客対応 → マーケティング」という順になりがちです。受注処理や発送処理、問い合わせ対応といった業務は、目の前の顧客に直結しているため、どうしても優先されます。結果として「未来の売上をつくる活動」であるマーケティングについては後回しになり、気がつけば1週間、1ヶ月と手を付けられないまま時間が過ぎてしまうのです。

 この状況を変えるために、まず必要なのは「時間を先に確保する」という発想です。マーケティングとして「何をやるか」が決まってから時間を取るのではなく、「マーケティングのための時間」という枠をあらかじめスケジュールに組み込み、その時間に後からタスクを差し込んでいくのです。

 たとえば「毎週金曜の午後は5時間、ECのマーケティングをおこなう専用の時間にする」「毎日17:00〜18:00はマーケティングの時間に充てる」といった形で、まずはスケジュールをブロックしてしまいます。あくまで、その時間に何をやるのか、は後からです。自社のマーケティングタスクがなくとも、競合ショップのリサーチや市場調査など、やることはいくらでもあるはずです。

*グロスで時間を確保しても良い

 さらに、この時間を確実に守る仕組みも重要です。実際の現場では「時間をブロックしたのに消えてしまう」現象が頻発します。営業の都合や緊急対応に押し流され、気づけば予定していたマーケティングの時間がなくなってしまう。既存事業をやりつつ、ECに着手する会社の「あるある」です。このような状況を防ぐために有効なのが、Googleカレンダーなどのツールです。

 Googleカレンダーなら、ブロックした予定をドラッグで動かし、スムーズに別の時間に移すことができます。つまり「スケジュールが潰れたら必ず他の時間で回収する」というルールを徹底できるのです。1週間単位、2週間単位、せめて月単位で見れば「マーケティングに使った時間が一定以上ある」という状態を維持することが大切です。

 もうひとつの工夫は「小分けにして時間を積み重ねる」ことです。マーケティングというとまとまった時間が必要だと思われがちですが、実際には30分単位で進められる作業も少なくありません。Googleカレンダーの最小ブロック単位は30分です。たとえば1時間を午前と午後に分割し、30分ごとに別のタスクを差し込む。これにより「まとまった時間が取れないから進まない」という状況も回避できます。

*とにかく「止まってしまう」は良くない

 もちろん、どうしても既存業務が押し寄せて時間を守れないという場合もあるでしょう。そのときは「自分の努力不足」と片付けるのではなく、上長や経営者に申請する方法ももちろんありえます。マーケティング担当者がECサイトの成果を背負いすぎて消耗してしまうと、結果的に組織としての成長機会を失ってしまいます。これでは個人も会社も不幸になってしまいます。場合によっては業務の再配分や体制の見直しを検討しましょう。

 時間の確保は、単なるタスク管理の話ではなく「会社としてECマーケティングに取り組む姿勢」を示すことでもあります。定例会議を設定することが、すなわち「この事業を会社として優先して取り組んでいく」という宣言になるように、マーケティング時間のブロックもまた、組織として未来をつくるための意思表示です。

 最後にもうひとつ。おすすめなのは、「短時間でも考える時間を習慣化する」ことです。たとえ15分でも、数字を眺めたり、次の一手を考えたりする時間を毎日持つ。それだけでも、マーケティングの文化は少しずつ根づいていきます。時間は最も貴重な経営資源です。だからこそ「後で取る」ではなく「先に確保する」ことが、マーケティングを内製化するための第一歩になります。

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    ishida

    石田 麻琴 / コンサルタント

    株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。情報産業経営者稲門会役員。日本道経会理事。 UdemyにてECマーケティング講座配信中。 こちらから