ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

Eコマース事業では「定量」的なデータを「客観」的な指標として扱い改善を進める【no.1170】

前回のつづきです)

 中小企業がネットショップに取り組むとき、まず最初の月商100万円をいかにして達成するかが大切だ。そんな話の続きです。

*「情報を増やすか」もしくは「商品を増やすか」

 中小企業が運営するネットショップでまず取り組むこと。それは「情報を増やすか」もしくは「商品を増やすか」のいずれかです。そして、ほとんどの中小ネットショップの場合は、「商品を増やす」ことから取り組むことが大切。いかにして「商品数を揃えるか」がネットショップ運営の仕組みづくりの第一歩になります。

 前回のコラムで紹介したとおり、ネットショップ運営の仕事には「お客様にネットショップの存在を知ってもらうための仕事」と「お客様にネットショップでのお買い物を楽しんでもらう仕事」のふたつがあり、このふたつの要件を満たすことができる仕事がネットショップで取り扱う「商品を増やす」ことなのです。一石二鳥の仕事というわけですね。

 さて、「商品を増やす」ことは重要ですが、ただ闇雲に商品を増やし続ければ良いというわけではありません。また、どの商品も同じように登録をしていければいいというわけではありません。ここが、実店舗などのリアルビジネスと、Eコマースというネットビジネスの大きな違いです。ポイントになるのは、そう「データ」ということになります。

*Eコマースは理屈と理論で成長させる

 Eコマース事業を成長させるため、月商100万円を達成するため、そして月商2,000万円を達成するため、また、ネットショップの運営担当者を育成するためには、「データをとって、改善する」という考え方を会社に植え付けなければいけません。Eコマースとは、直感や根性だけで成長させるものではありません。理屈と理論を持って、成長させることができます。

 キーワードは「定性」と「定量」、「主観」と「客観」です。Eコマース事業とは「定量」的なデータを元にして、「客観」的な指標として扱い、改善を進めていくものになります。

 ネットショップで取り扱う商品を増やしていくとき、分析したいデータについて説明をします。

 まずは商品ページの「アクセス人数」のデータです。つまり、商品ページにお客様が合計して何回訪れたか、というデータになります。

 次に、商品ページの「転換率(=コンバージョン)」の「データ」です。ネットショップのコンバージョンとは、ページを閲覧した人のうち商品を購入してくれた人の割合です。商品の「注文数」を商品ページの「アクセス人数」で割ることで計算することができます。

 最後に、商品ごとの「売上」のデータです。こちらはシンプルに商品の「販売価格×注文数」をおこなって、どれくらいの売上になったかを計算してください。

*データの分析は「同一期間同一条件」で!

 初期の段階として、ネットショップで取り扱っている商品を、紹介した「アクセス人数」「転換率」「売上」の3つの観点から分析していけば良いと思います。データに慣れていないうちは、1つのデータを分析するのも大変です。その場合、まずは「アクセス人数」の観点からだけのデータを徹底的にみていくことをオススメします。

 さて、データを分析するためにはデータを作らなければいけません。データをつくる際におさえておかなければいけないのが、「同一期間同一条件」になります。「同一期間同一条件」で取得したデータでなければ、データ分析の材料にはなりません。

 まず「同一期間」は日数のことです。7日間を集計したデータと6日間を集計したデータでは、期間の幅が異なるので比較をすることができません。もうひとつの「同一条件」。転換率のデータを算出するときに、あるときは「注文数÷アクセス人数」で計算し、またあるときは「注文数÷ページビュー数」で計算していたら、同じ条件のデータにはなりません。

 データの分析は「同一期間同一条件」で、はぜひ覚えておいてください。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。