ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

お客様は必ずしもトップページからアクセスするわけではない【no.1183】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

「トップページ以外にも、『わさび漬け笹かまぼこ』の導線を入れた方がいいと思うの」

 友花里さんが七海さんにいいました。「おにぎり水産ネットショップにアクセスしたどのお客様にも『わさび漬け笹かまぼこ』の商品ページを見ていただく」これを目標に、友花里さんと七海さんはEコマースサイトの改善を始めました。

 いままでのネットショップでは、トップページに大きく「わさび漬け笹かまぼこ」のバナーを掲載していました。おにぎり水産ネットショップ「笹かまオニギリ」にアクセスしたお客様は、このバナーをクリックして「わさび漬け笹かまぼこ」の商品ページにアクセスしていたのです。

 しかし、七海さんはあるとき、あることに気が付きました。検索エンジンから「笹かまオニギリ」で販売している商品を検索すると、「笹かまオニギリ」の商品ページが検索結果に出てきていたのです。そう、「笹かまオニギリ」のトップページではなく。七海さんは「お客様は必ずしもトップページからアクセスするわけではない」ということを知ることができました。

 また、友花里さんも同じことに気が付いていました。友花里さんの場合は検索エンジンからの検索結果ではなく、ネットショップのページ別のアクセス数の推移を見ていたときでした。ある日のデータを閲覧すると、「わさび漬け笹かまぼこ」の商品ページのアクセス数が、ネットショップのトップページのアクセス数よりも高かったのです。

 ネットショップにアクセスするお客様が必ずトップページを経由して商品ページにアクセスするとすれば、「トップページ>わさび漬け笹かまぼこ」というデータの関係になるはずです。しかし、この日のデータは「トップページ<わさび漬け笹かまぼこ」になっていました。そう、この日は「わさび漬け笹かまぼこ」が雑誌に紹介された日だったのです。友花里さんも「お客様は必ずしもトップページからアクセスするわけではない」ということを学びました。

 「お客様は必ずしもトップページからアクセスするわけではない」ということを前提としたときに、「笹かまオニギリ」のサイトではどんな改善ができるのか、友花里さんと七海さんはミーティングをおこない、対策を検討しました。

 最初思いついたアイデアは、ネットショップの全ページに共通する部分から「わさび漬け笹かまぼこ」の商品ページに導線を張ることはできないか、ということでした。現在の「笹かまオニギリ」のレイアウトだと、全ページ共通で表示されるのは「ヘッダー」「フッター」「サイドナビ」の3つです。この3つの部分に「わさび漬け笹かまぼこ」への導線を入れることにしました。

 友花里さんと七海さんが特にポイントだと思ったのが、「サイドナビ」の活用でした。サイドナビは主に商品ページのカテゴリ分けに使っている部分です。もちろん、「わさび漬け笹かまぼこ」も「味付け笹かまぼこ」のカテゴリに含まれていますが、それはあくまで「味付け笹かまぼこ」のカテゴリをクリックしないとお客様にはわからないこと。「わさび漬け笹かまぼこ」への導線だけをカテゴリ外に出して、個別のバナーを作成することにしました。

 サイドナビの上部に「わさび漬け笹かまぼこ」商品ページへのバナーを作成する。「わさび漬け笹かまぼこ」の商品画像と、お客様の目を引くキャッチコピー「雑誌で紹介!わさびの風味が絶妙!」を組み合わせて導線を設置しました。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。