ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

これって、たくさん広告をクリックしてもらった方がいいのかな?【no.1197】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

 麻間(あさま)さんの薦めもあり、おにぎり水産ネットショップ「笹かまオニギリ」のインターネット広告スタートはリスティング広告を使うことになりました。ただ、麻間さんから伝えられたのは、リスティング広告の簡単な使い方だけ、その理由はこのようなものでした。

「私もあんまりリスティング広告使ったことあるわけじゃないんで。七海さんと友花里さんで試行錯誤してもらった方が自分の実力になりますよ。広告の成果検証とか運用改善の概念はまったく同じなので、七海さんと友花里さんの試行錯誤のペースに合わせてアドバイスをします」

 七海さんと友花里さんは、麻間さんを「何となく適当だなぁ」と思いましたが、別にいままでネットショップについても細かい指示はなかったことに気づきました。麻間さんは手段の話ではなくて、考え方を伝えている―――七海さんと友花里さんはそう理解をしました。

 七海さんと友花里さんはまずリスティング広告の概念を理解するところから始めました。おにぎり水産の会議室にノートパソコンを持ち込み、インターネットでリスティング広告について調べました。七海さんはリスティング広告の教本も購入して、少しずつ読み進めています。

 七海さんと友花里さんはここまで自分たちが調べて知ったリスティング広告の知識を共有するために、各々の知見をホワイトボードに書き出しました。

「まず、リスティング広告ってのは、お客様がインターネット検索をしたときにこの上の方に出てくるやつなのよね」

 七海さんはそういうとノートパソコンでYahoo!JAPANのトップページ画面を開き、検索バーに「笹かまぼこ」と入力をしました。検索ボタンを押すと、検索結果の上位2件に「笹かまぼこに関連した広告」というものが出てきました。おにぎり水産と同じ仙台にある笹かまぼこ屋さんのネットショップと、石川県にある笹かまぼこ屋さんのネットショップの2件が表示されていました。

「イメージとしては、この仙台の笹かまぼこ屋さんとか石川県の笹かまぼこ屋さんとかと同じように設定をすればいいと思うんだよね。教本を見た感じだと、お客様がどんなキーワードで検索したときに、どんな広告を表示して、クリックしてもらえたらどんなページに遷移するのか、を考えなきゃいけないみたい」

 七海さんは一度Yahoo!JAPANのトップページに戻り、もう一度「笹かまぼこ」と検索をしました。同じように仙台の笹かまぼこ屋さんと石川県の笹かまぼこ屋さんの広告が表示されます。七海さんは石川県の笹かまぼこ屋さんの広告をクリックして、ネットショップのページに遷移をしました。

「この流れをつくると。で、このリスティング広告ってのは、検索で表示された広告がクリックされると、費用がかかるわけね。だから、いまこの笹かまぼこ屋さんは、私が広告をクリックしちゃったので、いくらか広告費がかかってしまった、と」

 七海さんがニヤニヤしながら言いました。友花里さんはフンフンと頷いているだけでしたが。七海さんが続けます。

「それで、その流れをつくるための画面がコチラ!私の方で本を読みながらアカウントIDを作っておいたので、いまから広告をつくることができるよ」

 七海さんは友花里さんに向かってピースサインをしています。友花里さんはリスティング広告の管理画面を見ながら言いました。

「これって、たくさん広告をクリックしてもらった方がいいのかな?」

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。