ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

アマゾンのDash Buttonを一ヶ月使って思ったこと。【no.1208】

 AmazonのDash Buttonを買ってみました。

 2016年の12月に日本でも発売されたAmazonのDash Button。早速使っている方も多いと思いますが、私も「フルグラ」と「ウィルキンソン」のふたつのDash Buttonを購入してみました。

 まあ、「フルグラ」も「ウィルキンソン」も普段から常用していたわけでもないんですが、とにかくDash Buttonを使ってみたかったので、このふたつを選んでみました。約1か月使ってみて思ったこと。

1.楽しい

 他にはない新しい機能だからだと思いますが、なんだか楽しい。ボタンを押すとき少し緊張する。仮に連打をしても1回分しか注文されないので安心。子どもが大きくなったら押したがって危険そう。

2.実はあまり使わない

 「フルグラ」は1袋ずつの注文なので、何回かボタンを押しましたが、「ウィルキンソン」はジンジャエールの24本入りを選んでいるのでボタンを押したのは1度だけ。なかなか冷蔵庫の在庫が減らない。

3.意外と粘着力が弱い

 Dash Button裏の保護シールを剥がすと壁に貼ることができる。が、粘着力が強そうで弱い。「ウィルキンソン」のDash Buttonは冷蔵庫に貼って10分で落ちた。平らな場所に置いておくか、フックを使ってひっかけておくのが良さそう。

4.他を探さなくなる

 ワンプッシュで注文できて便利、というのがサービスとして推しているところだと思うけれど、マーケティング的にはこれが一番重要なのではないかと思った。Dash Buttonがあると同じ商品を買い続けることになる。他の代替品を探さなくなる。

5.金額を気にしていない

 よく考えればありえないことなんだけども、Dash Buttonを押すとき、自分は商品の厳密な金額を把握していない。仮に商品の金額が10円上がっていたとしても、Dash Buttonを押すときにはそんなことは気にしていない。ある意味、支払いという感覚がマヒしてしまう。

6.Dash Buttonで欲しいもの

 メーカーとの交渉やなんやで実現していないものが多い&これから実現されるものが多いのだと思うけれども、赤ちゃん系のDash Buttonが欲しい。特にミルク、赤ちゃん用の水(オムツはムーニーがある)は繰り替えし同じものを使う(消費も早い)から需要が高そう。

7.リピート率の変化が気になる

 Amazon社として、たとえばDash Buttonがない状態での特定顧客の「ウィルキンソン」のリピート率と、Dash Buttonを持っている状態での同じ顧客の「ウィルキンソン」のリピート率を計算しているだろうから、その結果が気になる。当然、今後の営業戦略にも使われるハズ。

8.競合商品の売上減が気になる

 逆に、Dash Buttonを採用した競合商品に注文が取られてしまった商品もあるはず。たとえば紙オムツの「ムーニー」はあるけれど、「パンパース」はない。「パンパース」から「ムーニー」のDash Buttonにリプレイスした顧客がどれくらいいるのかが気になる。

9.物販以外のサービス拡充はあるのか

 現状、Amazonということで物販のためのDash Buttonだけれど、それ以外のサービスにも転用可能ぽい。宅急便の集荷とかタクシーの配車とか救急車呼ぶとか。必要性は別として。

 とにかくDash Buttonの凄さは、超シンプルな専用ボタンであることだと思った。「色んなものができる(けど、ひと手間ある)」から逆走している。朝起きて、スマホで洗濯機を回すよりも、枕元のDash Buttonで洗濯機を回す方が、老若男女が使えるツールになるかも。

 別にAmazonを経由しなくても、たとえばお米屋さんが直接お客様にお米を届ければいいだけだし、実店舗専用のDash Button的なものがこれから出てくるかも。これは本当に「わかりやすさ命」のサービスですね。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 9.Eコマースこぼれ話

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。