ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「キーワード検索→広告表示→広告クリック→ECサイト」。そして「→購入」【no.1218】

 ネットショップのあるあるストーリー、「鬼切社長シリーズ」。(前回はこちら

 七海さんと友花里さんの話を、麻間(あさま)さんはウンウンと頷きながら聞いていました。そして、ひと通りの話を聞き終わると、麻間さんはゆっくり口を開きました。

「やり方は、合ってます。ただ、掘り下げ方がレベル1状態ですね。これからこれから。ネットショップや実店舗の改善と一緒です」

 てっきり麻間さんに怒られるのではないかと思っていた七海さんは、少し安心した表情になりました。

「七海さん、リスティング広告をどうやって出稿したかの話はよくわかったので、今度はお客様が『笹かまオニギリ』のWEBサイトにたどりつき、購入にいたるまでの流れをホワイトボードを使って詳しく説明してもらえませんか」

 麻間さんにそういわれると、七海さんはホワイトボードのマーカーを手に取り、慣れない手つきで工程を書き始めました。

「お客様が最初に取られる行動は、検索エンジンを使っての『キーワード検索』なのだと思います。今回の場合は『笹かまぼこ』というキーワードについてリスティング広告を入稿したので、検索エンジンで『笹かまぼこ』と検索したお客様に『笹かまオニギリ』の広告が表示されたのだと思います」

 七海さんは「間違ってないよね」と確認をするように、友花里さんの方をみました。友花里さんは七海さんに頷き返し、「大丈夫、合ってるよ」と無言で伝えます。

「それで、この『宮城県の笹かまぼこ。笹かまオニギリネットショップ―――宮城県で笹かまぼこを生産しているおにぎり水産のネットショップ。美味しい笹かまぼこを全国にお届けします―――』っていう文言が表示されて、それを見たお客様がクリックをしてくれるわけですよね」

 七海さんがホワイトボードに「キーワード検索→広告表示→広告クリック」と書き、そこに「→ECサイト」という文字を加えました。

「広告をクリックしてくれたお客様は『笹かまオニギリ』のトップページにやってきてくれて、それでサイトの中を回遊してくれて、欲しいものがみつかれば『購入』ボタンを押してくれる、って感じですよね」

 そういうと七海さんは「キーワード検索→広告表示→広告クリック→ECサイト」の最後に「→購入」という文字を加えました。

「そうですね。お客様からの流れは七海さんに説明いただいたとおりで大丈夫です。それで、今回の広告の成果はどんな感じだったんでしたっけ?友花里さん」

 友花里さんは手元の資料を見ながらこたえました。

「1クリックあたり150円で入札して、1日半で266回クリックがありました。広告経由で売れたのは3件。売上としてはちょうど1万円です。広告費は約4万円消化しているので、けっこう赤字でした。今の段階だと、惨敗ですね・・」

 麻間さんは「まあまあ、ここから」といわんばかりに友花里さんに向かって手のひらをふります。

「いくらでも改善可能ですよ。まず、いま友花里さんに話してもらった今回の一連の数字なんですが、最初にどれを改善していくべきだと思いますか?友花里さん」

 友花里さんは少し考えてからいいました。

「うーんと、そうですねぇ。まあ、もちろん売上をアップさせたい気持ちが大きいんですけれども、4万円も広告をかけて266クリック、というか266人しかネットショップに来てもらえていないのはちょっと寂しい気がします」

「そうなんですよ。友花里さんからの数字を聞いたときに、私も最初に気になっていたのは『266回』という数字よりも、『1クリックあたり150円』という数字です」

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。