ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

ネット広告の原理は「どんなお客様にどんなタイミングでどんな広告を出すか、そしてどのページに飛ばすか」【no.1228】

 インターネット広告の改善というのは、「より効率的に売れるようにするためにはどうすればいいのか?」という目的の元におこなわれます。

 なので、「よりクリック率を上げるためにどうすればいいか」とか「よりアクセスを増やすためにはどうすればいいか」とか「より広告費を減らすためにはどうすればいいか」という改善は間違ってはいないのだけれども、優先順位としては後。まずは「より効率的に売れるようにするためにはどうすればいいのか?」を徹底して追っていく。

*「効率的に売れる」ということの定義

 そしてこの「効率的に売れる」ということの定義が難しい。言葉のとおりに考えれば「少ない広告費用でたくさんの商品が売れる」ということではある。100万円の広告費に対して100件の注文があると、1注文あたりの獲得コストは1万円。50万円の広告費に対して100件の注文があれば、1注文あたりの獲得コストは5,000円となる。この1注文あたりの獲得コストが低ければ「効率的に売れる」ということにはなる。

 もうひとつの定義として、「効率的に売れる」ということを「長く買い続けてくれるお客様を獲得する」と定義することもできる。前述した、1注文あたり1万円の獲得コストの広告と1注文あたり5,000円の獲得コストの広告、広告効率を見れば後者の方が「獲得コストは安い」ということになるのだけれども、結果的に「効率的だったのか否か」は長期的なお客様の動きを見てみないことにはわからない部分がある。

 1注文あたり1万円の獲得コストだったお客様が平均して5年間商品を買い続けてくれ、1注文あたり5,000円の獲得コストだったお客様が平均して1年間しか商品を買い続けてくれなかったとしたら、結果的に前者の方が「効率的に売れた」ということになる。いわゆるCPA(顧客獲得単価)とLTV(顧客生涯価値)の概念です。

*広告を使うとビジネスモデルや収益性、事業拡大の期待値がわかる

 ―――ということで、コンバージョン(顧客の獲得)を軸にするならば、広告は奥深い。自社の商材やビジネスモデルによって成果の指標が変わる。逆にいえば、広告を使うことで自社のビジネスモデルや収益性、事業拡大の期待値がわかるとも言えます。

 リスティング広告、アフィリエイト広告、アドネットワーク広告、リワード広告、facebook広告・・インターネット広告の種類は様々ですが、基本的にその概念は変わりません。「どんなお客様にどんなタイミングでどんな広告を出すか。そしてその広告からどのページにリンクを飛ばすか」。この原理によって成り立っています。自社が使おうとしているインターネット広告があれば、まずはこの原則に当てはめてみることが大事です。

 「どんなお客様に」「どんなタイミングで」「どんな広告を」「どのページにリンクを飛ばす」―――そして、その結果、商品の購入や資料請求、会員登録などのコンバージョンポイントがあって、そこで初めて成果が出るわけです。インターネット広告の「運用」とは、この一連の流れを最適化すること。仮に、「商品購入」「資料請求」「会員登録」などのコンバージョンポイントなくインターネット広告を運用するとしたら、成果のポイントをどこかに持ってきた方がいいかもしれません。

 「お客様」×「タイミング」×「広告」×「リンクページ」の流れを最適化するためには、基本的に1to1で広告を作成していかなければいけません。たとえばリスティング広告ならば、「化粧品 40代」と検索する人と「化粧品 50代」と検索する人ではコンバージョンに繋がる広告分(広告画像)とリンク先ページは必ずしも一緒ではないのです。

 広告の運用をする際、「お客様」×「タイミング」×「広告」×「リンクページ」の原則をイメージして改善を積み重ねていきましょう。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 8.Eコマースの集客

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。