著者:石田 麻琴

「悪い流れ」を断ち切るためのひと工夫は「人に会う」こと。【no.1293】

 仕事には「良いとき」があれば「悪いとき」もあります。

いかに悪い状態を耐え、流れを変えるか

 流れの良いときはサクサクと仕事が進みます。受注をいとも簡単に、立て続けにいただくことができます。市場環境の影響で突然大量の注文をいただくこともあるでしょう。逆に、流れが悪いときはミスやトラブルやアクシデントが起こります。なかなか数字が上がらない、むしろ下がり続けるときもあるはずです。

 大切なのは良い状態をできる限り長く続けられるようにし、悪い状態をなるべく短く小さなリスクで我慢することです。ずっと良い状態が続くことはありません。いかに悪い状態を耐え、流れを変えるかがポイントになります。

 そこで提案したいのは、「流れが悪いときは、たくさん人に会う」ということです。

 BtoBの会社なら営業先や取引先、BtoCの会社でも仕入れ先やお客様など「会う」ことができる方がいるはずです。上司や同僚、会社OB、学生時代の仲間なども含めれば、数日がアポイントで埋まってしまうでしょう。

ひとつは思考の固定化の打破。もうひとつは行動の固定化の打破

 ここでは新しい情報や業務提携のためだけに「人に会おう」と提案しているのではありません。「人に会う」ことには悪い流れを変えるふたつのポイントがあります。ひとつは「思考の固定化」の打破。もうひとつは「行動の固定化」の打破です。

 流れが悪いときはどうしても考え方が内向きになります。自分の頭で考え、自分の手で調べ、自分の中だけで解決策を生み出そうとしてしまいます。メンタルがネガティブになっているときは、気持ちが内に内にいってしまうものです。自分の中だけで考えていると、どうしても思考が固定化していきます。

 思考が固定化しないためには「人に会う」のが一番です。物事の考え方は人によって異なります。また、相手の流れは自分と必ずしも一緒ではないですから、冷静な目だったり異なる視点だったりの思考に触れることができるはずです。新しい気づきや発見を意識しなくても、人に会って話をする中で思考が刺激されていくのです。

 もうひとつ。流れが悪いときは、どうしても行動を選別しがちになります。ネガティブなメンタルから「行動してみよう」という気持ちが後回しになり、「そもそもこれをやって成果が出るだろうか」という行動の「意味」を考え始めます。結果を気にするあまり雁字搦めになり、大胆な行動が取れなくなるだけでなく、選択と判断が遅れていきます。

 「人に会う」ことは会う人がいて初めてできる行動です。アポイントを依頼したならば、必ず会わなければいけません。行動するかしないかの判断が自分に委ねられていれば、「今日はやめておくか」と自己完結してしまいますが、アポイントを入れることで自分に対して行動を義務付けることができるのです。人に会うことで、行動のリズムを再構築していくことができます。

「人に会って」表面化した仕事こそ、受注や売上に直結する仕事

 「人に会う」ことで流れが悪いときの思考の固定化と行動の固定化を打破することができます。このふたつのポイントに加えてもうひとつ。「人に会う」アポイントをたくさん入れるとスケジュールが簡単に埋まります。当然ですが、実務をおこなう時間が少なくなります。

 実務の時間が少なくなることにより、業務のスピードが上がったり、効率化を意識するようになったりします。また、不要な仕事をやらなくなり、通常業務のブラッシュアップを進ませることができます。また「人に会う」ことで浮き上がった仕事を優先しておこなうようになります。そして、この「人に会って」表面化した仕事こそ、実は受注や売上に直結している仕事なのです。もしかしたら、これが一番、「全ての流れ」を変える原因になるのかもしれません。