ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

自社サイトのネットショップ。誰も言わない本当のこと【no.1360】

 自社サイトでネットショップを運営するとはどういうことか、解説をしていきます。

 まず90%のネットショップは自社サイトでのネットショップに成功しません。楽天市場やYahoo!ショッピングでネットショップを運営している会社がいまだに自社サイトに売上を移行できていないのがなによりの証拠です。

*自社サイトで成功するための条件とは

 すべては努力次第そして突破力こそすべての悪条件を打破する鍵、だと伝えた上でこの項を読んでください。

 基本的に、リアルの世界での認知度がある会社しか自社サイトは成功しません。リアルの世界でブランドとしての認知がある会社。もしくは実店舗があってリアルの世界でその存在を認知してもらえる可能性がある会社。いずれかということになります。

 あくまで基本的にです。

*自社サイトで困るのは「集客」

 楽天市場やYahoo!ショッピングなどショッピングモールでのEコマースの特徴は、ショッピングモールというプラットフォームがお客様を集めてくれていることです。

 テレビCMや雑誌、いままでに培ってきた一般的な認知などにより、ショッピングモールの会員IDを持っているお客様は数千万人おり、そしてお買い物をしようとショッピングモールに自ら集まってきてくれています。

 しかし自社サイトの場合はインターネットというショッピングモールよりも広大な中から会員IDを持たないお客様を集めてこなくてはいけません。リアルの世界でブランド・認知度がある会社が自社サイトで有利なのは、ブランド名・ショップ名・メーカー名でお客様が「直接検索」をしてくれるからです。

*ブランド・認知のない会社が突破するためには

 リアルでのブランド・認知がない、実店舗がない会社が自社サイトを攻略するためにはふたパターンしかありません。

 ひとつは市場にニーズがあるのにも関わらずまだ製品化されていない独自商品をつくること。お客様が何かの「課題解決」のために探している「いままで無かった」商品の穴を見つけ出す能力が必要になります。いまはモノがあふれている時代ですから、時流を読むことができ、リスクを抱えて独自に商品をつくる勇気がある起業家しか実現できない戦略です。

 もうひとつは徹底的に情報発信をおこなうことです。ネットショップの集客は「商品を増やす」「情報を増やす」「広告を増やす」の3つの方法しかありません。ショッピングモールは「商品を増やす」が向いていますが、自社サイトは「情報を増やす」が向いています。

 商品を探しているお客様は楽天市場やAmazonなどのショッピングモールへ行き、情報を探しているお客様はGoogle検索に行きます。自社サイトでは後者を徹底するのです。

*自社サイトの売上を立てるための流れ

 あくまで理論上の話です。商材や顧客像、運営方法によって状況は変わります。自社サイトの売上を立てるための流れを考えましょう。

 まずは自社サイトだけではなくショッピングモールにもネットショップを出店した方が良さそうです。ショッピングモールを「お客様に認知してもらうため」の導線として考えましょう。最初から自社サイトにアクセスしてもらうのは簡単ではありません。

 会員IDの問題を解決します。お客様が自社サイトでの購入をためらうのは会員IDを取得するのが面倒だからというのも大きな理由です。ショッピングモールの会員IDが使えるプラグインもあるので、活用すると良いと思います。

 自社サイト独自の商品をつくりましょう。オリジナルの商品でもオリジナルのカラー展開でもオリジナルの販促でも構いません。「自社サイトで買う理由」をつくってあげることが大切です。また上記で触れましたが情報発信を充実させ「情報を増やす」ことも肝心です。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 3.Eコマースの収益アップ

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。