ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

小売りのネットショップ・・成長の道筋とは!?【no.1394】

 小売りのネットショップの成長の道筋について書いていきたいと思います。

 取引先、仕入れ先から商品を仕入れてネットショップで売る。もともと実店舗をやられていてネットショップを始めた事業者さん、ネットショップ専業の事業者さんにはこういった「小売り」のスタイルの方が多いと思います。

 「小売り」のネットショップは簡単ではありません。そもそも「小売り」が成り立つのは商圏ビジネスの世界だけです。インターネットの世界では同じ商品を取り扱っているネットショップが何十、何百とあります。いずれスタイルを変えなければいけないときがくるはずです。

*自社オリジナル商品、OEM商品のスタイルに切り替える。

 方向性のひとつは「自社オリジナル商品」「OEM商品」で「小売り」からの脱却を図る方法です。自社独自の商品を売ることができれば、競合と価格の張り合いにもなりませんし、利益も取れ利益率も安定します。

 自社独自の商品をつくる際のヒントにしたいのが、「小売り」として積み重ねてきた実績です。もっといえば、「どんな商品が売れるか?」というデータです。蓄積してきた過去のデータを元にして、「どの時期はどんな商品が売れる」を判断し、お客様に最適な商品を企画していくのです。

 「小売り」のネットショップが自社独自の商品だけを売っている「オリジナル商材」のネットショップに勝てるポイントは「データ」だけです。逆にいえば、この情報を保有していなければ「自社で商品を作り続けてきた」ネットショップに勝てるわけがありません。

*販促企画を充実させる。かゆいところに手が届くネットショップになる。

 「小売り」のネットショップは販売している商品が競合のネットショップと同じなのですから、他の部分で差別化を図らなくてはいけません。お客様がリピートしてくれる理由は、商品の魅力か販促企画の魅力のいずれかしかありません。ここで提案したいのは後者です。

 お客様は商品を探し購入する際、必ず何かの「目的」「用途」「課題解決」をもって行動を起こしています。ネットショップを運営する立場からは、「スカート」を売っていたり「食器」を売っていたりという「モノ」中心での考え方になりがちですが、お客様は必ず何かの「理由」ともってネットショップと商品を選択しているのです。

 「小売り」のネットショップは商品に差別性がないわけですから、お客様の「目的」「用途」「課題解決」に合わせたサイトづくりをすることで勝負します。サイドナビのカテゴリ分けや定期的な販促企画の内容が変わってくるはずです。「かゆいところに手が届く」ネットショップを目指しましょう。

*自社サイトへの完全移行を考える。

 ショッピングモールで「小売り」のネットショップを運営するのは大変です。競合と同じ商品を取り扱っているため価格競争やサービス合戦になることが避けられません。またショッピングモールへの課金もあります。どうしてもショッピングモールでは簡単に競合と比較されてしまうのです。しかも仮にお客様に選ばれても、「お客様がどのネットショップで買ったか覚えてない」状態がほとんどです。

 自社のネットショップに自信があるならば自社サイトへの完全移行を考えるのも手です。一時的に売上が半分以下に落ち込むかもしれませんが、ショッピングモールに比べ利益率を確保することは可能です。全面移行は難しくても、ネットショップの一部の商品から自社サイトだけでの販売に切り替えてみる手もあります。

 自社サイトへの移行を考える場合、ショッピングモールから移動する「お客様のメリット」を準備しておくことが重要です。また決済のシステムもAmazonペイなどを導入しておくと良いでしょう。完全新規のお客様にリーチするためコンテンツ充実も定期的に。自社サイトのお客様は「商品軸」ではなく「情報軸」で探しています。

 おわり。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。