ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「販路拡大」型の会社がEコマースで成功するための本当のポイント。一【no.1474】

 Eコマースに取り組むための本当のポイントについて書いていきます。Eコマースを専業でビジネスをやられている会社さんではなく、母体となるビジネスをやられていて、インターネットで販路拡大を考えている会社さんによく読んでもらいたい内容です。

*ネットショップを運営している会社、そのほとんどは・・?

 楽天市場にネットショップを出店しているお店は4万店舗あるといわれています。Yahoo!ショッピングに出店しているネットショップは50万店舗以上だといわれています。

 他にも自社サイトのASPカートシステムやショッピングモール、インスタントカートのネットショップシステムまでツールは様々です。無料で開設できるネットショップツールもあり、インターネットを使って「モノや情報」を販売するための参入障壁はかなり下がっているといえます。お爺ちゃんでもおばあちゃんでも、小学生でも中学生でも、その気になればネットショップを開設することはできます。

 ネットショップを運営している会社はふたつのパターンに分けることができます。ひとつはネットショップを専業のビジネスとして運営している会社。もうひとつはネットショップを販売チャネルのひとつとして活用している会社です。

 6年前。私がお世話になっていた会社はネットショップの「専業」会社でしたが、ネットショップを開設している会社のほとんどは「販路拡大」型の会社だと考えられます。

*ネットショップ「専業」型と「販路拡大」型の会社の違い。

 東京でネットショップ関連の勉強会やセミナー、交流会に参加するとネットショップ専業の会社がちょこちょこといらっしゃいます。私自身がネットショップ専業の会社の出身者なので、専業の会社が多いイメージを持っていたのですが、勉強会に10社いたとしてもネットショップ専業の会社は1社いるかいないかです。ほとんどが販路拡大を目的にEコマース事業に参入している会社さんです。

 ネットショップ「専業」型と「販路拡大」型には明確な違いがあります。それはネットショップに挑む姿勢です。当然ながら「専業」型の会社の方が、「販路拡大」型の会社よりも強い姿勢でネットショップに挑んでいます。会社に売上が入ってくる素、会社に利益が入ってくる素が「専業」型の会社にとってはネットショップだけなのですから、当然といえば当然です。

 残念ながら・・ですが、「専業」型の会社と比較すると「販路拡大」型の会社のネットショップはその運用スピードや成果とコストの分析、商品ページへの細部へのこだわりなどが弱くなりがちだと経験上いえなくもありません。いや、申し訳ないがらやっぱりそうなのです。それは「退路があるか、ないか」の違いなのかもしれません。

*「販路拡大」型の会社の方が本質的にはネットでも強い。

 しかし、「販路拡大」型のネットショップが「専業」型のネットショップに負けているのは、その「退路がない」感からくるスピード・分析・こだわりなどだけであって、ネットショップに取り組む条件としては「販路拡大」型の会社の方がはるかに有利であるといわざるをえません。

 「販路拡大」型の会社の有利な点は、これまで母体となるビジネスを運営されてきたという歴史・実績・信用そのものです。リアルの世界で歴史があり、その結果ブランドとしての認知が高くあるならばネットの世界でも有利に働きます。実績や信用は、商品の素材を仕入れたり、商品自体を仕入れたりする取引先との関係を良くしているはずです。納期や原価の面でも有利に働きます。

 「専業」型の会社にとって、これら「歴史・実績・信用」はすべてインターネット上のネットショップという仮想店舗の中で培っていかなければいけないものなのです。いかに「販路拡大」型の会社が有利かがわかるでしょう。

 つづく。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 6.Eコマースの悩み

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。