スマートスピーカーによって変わるもの。大小【no.1522】

 少し時間が経ってしまったが、スマートスピーカーが話題になっている。現状のところ、Amazon社が提供している「Amazon Echo(以下、Amazonエコー)」、Google社が提供している「Google Home」、LINE社が提供している「LINE Clova」、この3つが主要なところになっている。

 その中でも今後の有用性・活用の広がりを考えたときにスタンダートとして有力視されているのがAmazonエコーといわれる。Amazonという販売プラットフォームにのっている商品なので、流通チャネルが確立されている。また、EコマースサイトであるAmazonのプラットフォームともスマートスピーカーの相性が良いことが理由だと思う。

 今回はAmazonエコーによってもたされる「インターネットの変化」について考えてみたい。

*インターネット検索の方法が変わる

 インターネット検索というと、例えば「渋谷 割烹 人気」などというようにいくつかの単語を組み合わせておこなうのが一般的だった。ソーシャルメディアの登場によって「人は検索をしなくなるのではないか?」という予測もあったのだが、いわゆる「検索」ではない方法で情報を探す状態は続いていく。

 前述した「渋谷 割烹 人気」というインターネット検索だが、スマートスピーカーの音声認識を使って情報を探す(聞く質問する)となると、「渋谷で人気の割烹はどこ?」とか「渋谷の割烹。できるだけ人気のとこで」とかになる。検索キーワードという言葉があるが、その形式は間違いなく変わる。Google社が「Google Home」というスマートスピーカーを出していることからも、当然「情報の探し方」の変化の対応を改善しているはずだ。

*インターネットの回遊が変わる

 例えばGoogleで既存の方法でインターネット検索をする。そうすると検索結果がずらりと並ぶ。検索したユーザーは1つ目のリンクをみることもあるし、2つ目のリンクをみることもある。はたまた、検索に連動したインターネット広告の情報を深く閲覧することがある。スマートスピーカーを使う過程では、この「選択性」が閉じられていく。スマートスピーカーとの1対1の情報交換になるのだろうか。

 検索対策やインターネット広告は地道であったり姑息であったり、その活用や改善には賛否両論あるが、ブランドのないサービスがその存在をユーザーに知ってもらうための手段だった。1対1の情報交換の力が強くなると、よりサービスの認知がより一部に集中する可能性がある。インターネットは「強者の武器」だが、さらに「強者の武器」に成りあがるのだろうか。

*スマートスピーカーはIOTの入り口になる

 たとえば家の外からでもエアコンをつけておくことができる。たとえば家の鍵がかかっているかを外からでも調べることができる。たとえばテレビ番組の録画がスマートフォンでできる。これらのIOTに対応している家電はまだまだ少ないが、スマートスピーカーはIOTの操作の入り口になる。

 冷蔵庫がIOT化されていればどうだろうか。冷蔵庫の中の在庫をスマートフォン上で見られるようになる。賞味期限の管理もスマートフォン上で見られるようになる。いま冷蔵庫に入っている食材でどんな料理ができるかを教えてくれるようになる。在庫が少なくなれば発注が伴う。スマートスピーカーが「牛乳の残りが少ないですが注文しますか」というアラートを出すわけだ。Amazonで即注文の流れもできる。

 「牛乳の残りと発注の関係性」は過去の冷蔵庫の利用とAmazonでの発注の履歴から最適なタイミングが算出されることになる。そしてこの「冷蔵庫の中の動きのデータ」はAmazonに共有される。Amazonの仕入れ先に共有される。牛乳の生産者自身が需要の予測やロイヤルカスタマーの判断をすることができるようになる。

 商品主導のマーケティングから、顧客主導のマーケティングに時代は変化していく。本当の「オムニチャネル」の概念に他ならない。そのときには「オムニチャネル」ではない言葉になっていそうな気がするけれども。