ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「お客様に知ってもらう仕事」と「お客様にもっと楽しんでもらう仕事」【no.1524】

(2018年1月のコラムです)

ネットショップ運営のふたつの軸は、「お客様に知ってもらう仕事」と「お客様にもっと楽しんでもらう仕事」になる。ネットショップ運営においては、このふたつの仕事はブツっと切れており「お客様に知ってもらいつつ、もっと楽しんでもらう仕事」がほぼ無いのが現状だ。

このネットショップ運営のふたつの軸について考えていきたい。

*「お客様に知ってもらうための仕事」とは

ネットショップを成長させるため、つまりネットショップの売上をあげるために不可欠なのが「お客様に知ってもらうための仕事」になる。

ネットショップというものはその存在自体が集客導線になるものではない。リアルの世界で認知を持っているブランドは別として、ネットショップを立ち上げたらネットショップにアクセスが殺到した、というようなことはありえない。ネットショップの成功はこの「お客様に知ってもらうための仕事」か強く関係しているといって良い。ネットショップのサイトをリニューアルしたらアクセスが増える、に相関性はない。

「お客様に知ってもらうための仕事」は、お金をかけることでお客様に認知をしてもらう「広告」だけではない。「お客様に知ってもらうための仕事」は3つプラス1つ。「広告」「検索」「メディア」そしてプラス1が「リアル」ということになる。

*「お客様にもっと楽しんでもらう仕事」とは

商売というのは基本的にリピーターによって成り立っている。例外があるとしたら、一部の不動産や詐欺(ビジネスか?)。ネットショップも例外ではなく、ネットショップを利用してくれたお客様に利用し続けてもらうことが成長につながる。

「お客様にもっと楽しんでもらう仕事」は2つプラス1つに集約される。「商品」「販促企画」の2つ、そしてプラス1が「サービス」。この合計3つのパターンしかない。

「商品」でいえば「新商品を投入する」や「売れ筋商品を切らさない」などの施策。「販促企画」でいえば「季節に合わせたキャンペーン」や「福袋、提案型のセット商品」などの施策があたる。「サービス」改善については「配送スピード」「決済方法の多さ」「梱包レベル」などがあたるが、あくまで「お客様にもっと楽しんでもらう仕事」としては「商品」「販促企画」の次。プラス1という位置づけになる。

*ふたつの仕事をともに適える仕事とは何か

「お客様に知ってもらう仕事」と「お客様にもっと楽しんでもらう仕事」はブツっと切れており、「お客様に知ってもらいつつ、もっと楽しんでもらう仕事」はほぼ無いと前述したのだが、実はないこともない。

王道は「商品数を増やす」こと。ネットショップで取り扱う商品の数を増やすこと(商品登録をすること)でお客様に品揃えを提案できるだけでなく、インターネット検索にもヒットしやすくなる。さらにいえば、どこに売れ筋の鉱脈が隠れているかのマーケティングデータを取得することができる。シンプルな方法だが確実な方法なのだ。

そしてもうひとつ。若干合わせ技になるが「販促企画」を充実させ「ソーシャルメディア」に乗っかること。商品を「仕入れて売る」タイプの小売りのネットショップでも商品を「作っている」メーカーのネットショップでも同じように「ひねる(捻る)」ことができるのが「販促企画」である。「ソーシャルメディア」経由で火がつけば、「お客様に知ってもらいつつ、もっと楽しんでもらう仕事」になるわけだ。

―――以上、「お客様に知ってもらう仕事」と「お客様にもっと楽しんでもらう仕事」について考えてきた。付け加えるなら、ネットショップ運営の序盤は「お客様に知ってもらう仕事」の重要度が高く、規模が大きくなるにつれ「お客様にもっと楽しんでもらう仕事」の比重が高くなっていくものなのだ。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。