ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

お客様から受けた質問を「すべて」WEBサイトに載せるところから【no.1525】

 WEBサイトの情報を充実させるときに非常に簡単な方法があります。「お客様から受けた質問」をすべてWEBサイトに情報として載せることです。

*WEBサイトの情報だけでサービスの取捨が決まる時代

 ECMJコラムでも何度か書いた情報です。アメリカの調査会社ガートナーのデータによれば、2014年の時点でユーザーは購買行動の65%をオンライン上で取捨選択をしています。そしてこれが2020年にはユーザーの購買行動の80%がオンライン上で取捨選択をする時代になると示唆されています。

 オンライン上つまりWEBサイト上というお客様の姿が見えない場所で、知らぬ間にお客様が私たちのサービスを見つけ、サービスの情報を詳しく調べ、サービスの競合を同じように調査して、知らない間に取捨選択をして、場合によっては知らぬ間に私たちのサービスから去っていくというのです。

 見込み顧客と実際に対面し、サービスのプレゼンテーションをする機会は少なくなります。お客様がサービスの問い合わせをしてくるときは「ほぼそのサービスの活用を決めているとき」である可能性が高くなるわけです。

*お客様は「問い合わせ」をせず、静かに去っていく

 困ったことにお客様は「問い合わせ」をしてくれません。わからないことを細目に問い合わせてだったり、まずは営業さんを呼んで話を聞いてみようだったりという購買行動が極力小さくなっていきます。逆にいえばサービスを提供する側として「サービスについてわからないことがあればお客様から問い合わせてきてくれるでしょ」というスタンスは非常に危険です。

 お客様がWEBサイト上の情報で取捨選択をする時代ですから、WEBサイトに載っている情報がお客様が競合他社サービスとの判断に使う情報になる可能性があります。この傾向はBtoBのビジネスはより強まりますし、BtoCのサービスでは「Eコマース」の利用シーンを思い浮かべれば、完全にサービス提供側に「問い合わせ」をせず、WEBサイト上だけの情報で購買行動を決めてしまっています。

 実はBtoCのサービスにおいてはほぼ100%の購買行動がオンライン上で決定されてしまっているわけです。

*WEBサイトの情報を充実させるための第一歩

 WEBサイトの情報でお客様がサービスの取捨選択をするわけですから、WEBサイト上に充分な情報を載せておかなければいけません。BtoBのサービスを提供している企業のWEBサイトのほとんどが「一方的な自社のサービスの紹介」になっています。サービスを活用するユーザーの側に立って「目的」「用途」「利用シーン」「課題解決」などの視点からWEBサイトのコンテンツをつくっていかなければいけません。

 ただ、特にBtoBの会社さんは直接のエンドユーザーに触れる機会も少ないためBtoC的なマーケティング感を持つことは簡単ではないでしょう。BtoBのサービスサイトでは「その技術に精通しているような人間でないとわからない用語」を多発しているものも未だ多くあります。「顧客視点に立つ」ということ自体が主観的なものになってしまい、雲をつかむものかもしれません。

*「お客様からの質問」を自ら取捨選択しないこと

 自社のWEBサイトにお客様が「取捨選択」できる要素を加える簡単な方法の提案です。過去にアポイントや電話・メールなどの問い合わせで「お客様から受けた質問」を集め、すべてWEBサイトに掲載するのです。お客様が質問してくれたことこそ、お客様が知りたいことであり、かつサービスを選ぶための判断材料になっている可能性が高いのです。

 もうひとつ。これに取り組むときに注意したいのが、「お客様から受けた質問」の重要度を自社のスタッフで取捨選択しないことです。自分たちは自社のサービスに24時間365日漬かりきっています。自分たちの常識はお客様の常識とかけ離れていることを理解し、自らの「主観的な」判断を入れないことにするのです。それが「すべてを載せる」のルールの理由です。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 7.Eコマースのひと工夫

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。