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データ分析をアクション(施策)に繋げるための考え方。その3【no.1560】

 データ分析をアクション(施策)に繋げるための考え方。第三回です。

*データは「同一期間同一条件」で比較をする

 第二回のコラムで何度か「同一期間同一条件」という言葉を出しました。データは「同一期間同一条件」で比較をしてその変化を見極めるのがセオリーです。「成果検証」のデータ活用の流れの解説を一旦置いておいて、少し「同一期間同一条件」の説明をしたいと思います。

 繰り返しになりますがデータは「同一期間同一条件」で比較をするのがセオリーです。「同一期間同一条件」のデータでないふたつのデータはそもそもの土台・立ち位置が異なるわけですから比較をすることができません。

 まずは「同一期間」。サイトに7日間でアクセスしたユーザ数と6日間でアクセスしたユーザ数。このふたつの集計を比較することはできません。なぜなら期間が7日間と6日間で異なるからです。「同一期間」のセオリーに則ってデータを比較するならば、7日間のユーザ数の集計と別の7日間のユーザ数の集計を比較するということです。これが「同一期間」の定義です。

*わかりやすい「同一条件」の考え方

 もうひとつが「同一条件」。たとえば、ある日の朝6時に起きて「今朝は寒いな」と感じたとします。気温をみると「4度」です。翌日の朝8時に起きて「今朝は暖かいな」と感じたとします。気温をみると「8度」です。ここで「昨日よりも今日の方が朝は暖かい」という比較ができるかという話です。

 できないですよね。なぜなら起きた時間が前日は6時、翌日は8時で異なります。前日の6時の気温と比較するならば翌日の6時の気温、翌日の8時の気温と比較するならば前日の8時の気温を記録しておかないとデータの比較にはなりません。これが「同一条件」の定義するところです。

 必ずデータは「同一期間同一条件」で比較をすること。当たり前のように感じるのですが、あるときは1週間分の集計データをみて、またあるときは1か月分の集計データをみて、みたいなことを繰り返している会社さんが結構あります。注意してみてください。

*データの流れ(過去→現在)をみて、「違和感」をもつ

 「成果検証」のデータ活用の話に戻ります。第二回のコラムでは、「成果検証」としてのデータ活用では「現在のデータ」だけを見るのではなく「現在のデータ」と「過去のデータ」を「比較して変化を探す」ことが最初のポイントだとお話をしました。

 たとえば、週次のサイトのアクセス数の集計データ「過去のデータ(=前週のデータ)」が1,000アクセスであり、「現在のデータ(=今週のデータ)」が1,500アクセスだった場合、そこに「500アクセス」の差異があることに気づくこと、ここが「成果検証」のデータ活用の第一歩。ちなみに私は「違和感」みたいな表現をします。「データの流れ(過去→現在)をみて、『違和感』をもつ」みたいな。

*「過去のデータ」と「現在のデータ」の比較の次にすること

 「過去のデータ」と「現在のデータ」の比較をした後におこなうこと。それは過去と現在のデータの変化の変化(この場合だと+500アクセスになっていること。1,500アクセスに成長したこと)が「なぜなのか?」を考え、探すのです。ちょっと「成果検証」っぽくなってきましたね。

 データというのは「何かしら」の結果です。何かが起こってその結果としてオンラインショップにデータとして現れます。アクセス数のデータも受注件数のデータも売上のデータも、サイトに「何かしら」が起こったことによる結果です。「成果検証」のデータ活用のポイント、データを施策に繋げるためのポイントは、この結果を導き出した「何かしら」を考え、探すことです。

 これは「結果」の裏側の言葉です。まあ「原因」ですよね。「何かしら」とは「原因」のことです。

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カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 5.Eコマースの分析

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。