Eコマースのシンプルな原理原則~商品を知ってからブランドを知る~【no.1576】

 物事をシンプルに考える。ネットショップの売上の仕組みをシンプルに考えるの四回目です。前回は集客のタイミングについて紹介しました。商品(サービス)に改善をほどこして「優良な落しどころ」に育ててからお金をかける集客をおこなうこと、集客に在庫を充ててはいけないこと、普通に広告をかけても利益は残らないという認識をもつこと、について解説をしました。

*人はブランドを知り商品を知る・・のではなく

 前回のコラムで大ヒット商品の例として、ユニクロの「フリース」と「ヒートテック」の話を書きました。ユニクロはいまでこそ日本を代表する大企業のひとつであり、ブランド認知の高いアパレルの代表格でもありますが、20年前までは新興の「お安めアパレル」の店舗のひとつでした。(当時、「アパレル」という言葉すら一般的ではなかった気がします)

 「お安めアパレル」の店舗くらいにしか思われていなかったユニクロ(会社名も変な名前だと思われていた)が一気に知名度を上げたのは「フリース」の大ヒットでした。大ヒットというか大大大ヒットの芽がヒット商品です。当時を知っている人も多いかと思いますが、みんなこぞって「フリース」を買いにいったのです。うちは4人家族でしたが、母親が1人1着買ってきていました。

 以前、ユニクロのコンサルをやっていた人から聞いたのですが、店頭に在庫を補充している間に蒸発(売り切れること)するような状態だったみたいですね。圧倒的でした。

*人は商品を知ってからブランドを知る

 ここで押さえておきたいのは「人はブランドを知り商品を知るのではなく、人は商品を知ってからブランドを知る」ということです。ユニクロのフリースが大ヒットした当時、フリースが「ユニクロ」の商品だから買っていた人はいなかったと思います。いまは「ユニクロのフリースだから」という理由で
フリースを買っている人は多いでしょうが。

 ブランドがある一部の会社ならば「人はブランドを知る商品を知る」はありえます。ノートパソコンを買おうと思ったときにソニーとかパナソニックとか富士通とか、ブランドから商品名(VAIOとかレッツノートとかLIFEBOOKとか)知ることもあるんですが、ブランド認知の低い(もしくはほぼ無い)大多数の会社ならば「人は商品を知ってからブランドを知る」だということです。

 昔は「ユニクロだから買う」という人がいなかったのに、いまは「ユニクロだから買う」という人がいることを考えると非常にわかりやすいと思います。

*中小企業は地盤を着実に固めつつ大ヒットを狙う

 ネットショップを運営しているとわかりやすいですが、ヒット商品を出すことが売上の伸びを左右し、さらに集客の導線の太さを左右していきます。ヒット商品は売上になりますし、検索結果やランキングやソーシャルメディアなど露出が強くなることから自社というブランドに至るための導線にもなるのです。

 そのためにも商品やサービスをたえず加え続けてヒット商品の候補の見極めをしなくてはいけませんし、見せ方や露出を改善してヒット商品に育てなければいけません。そして集客のレバレッジをかけることで売上とアクセスに繋がる大ヒット商品に成長させていかなければいけないわけですね。この「大ヒット商品=柱」が何本あるかがネットショップ全体の売上に関わってきます。

 1店舗のネットショップに10本の柱があれば良いのですが、10本の柱に分散をすると1本1本の力が弱くなってしまうという懸念もあります。5店舗のネットショップに10本の柱をつくる、10店舗のネットショップに10本の柱をつくるでも良いわけです。あのユニクロでさえメガヒット商品は「フリース」と「ヒートテック」ですからね。もちろん簡単ではないです。