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「ハンコ」の自販機を見ただけでわかるドン・キホーテのすごさ【no.1577】

 画像のコレ、見たことありますか?雰囲気的になんとなくわかると思うのですが、総合ディスカウントストアの「激安の殿堂 ドン・キホーテ」に置いてある「ハンコ」の自販機なんですね。

 この自販機をみただけで、いかにドン・キホーテが商売上手か、いかにドン・キホーテが頭を使っているかがわかります。近くにドン・キホーテがある人は絶対に見に行った方がいいと思います。

*板橋志村のMEGAドン・キホーテのエレベータの横に

 気づかない人もいると思います。私もこのお店に行って5回目くらいで気がつきましたから。あれーここにハンコの自販機あったかなって。もしかしたら以前は無かったのかもしれないし、エレベータがすぐにきたら気づかずに乗り込んでしまうだろうし。板橋志村のMEGAドン・キホーテの1F総合レジを出て右側、入り口から向かって左側のエレベータホールにこのハンコの自販機があります。

 「最短10分仕上げ!!早い!!簡単!!500円~」まあポップはよくある感じです。ここで見てもらいたいのがハンコの材質の選択のところ(自販機の各々のボタンのところ)にちょこっと付け加えられているポップなんですよ。いやいや、ほんとこれだけ見ただけでいかに商売上手か、いかに頭を使ってお客様を楽しませようとしてるかって。

*どんなハンコがいいかなんて人はわからない

 正直、どんなハンコがいいかって素人はわからないじゃないですか。それにハンコには「ここで使うハンコはシャチハタじゃダメ!」とか暗黙のルールあったりして素人はわからないじゃないですか。そもそもシャチハタの定義だって曖昧な人がほとんどだと思いますし。つーか、そもそもシャチハタってハンコの種類の名前じゃなくて会社名ですからね。こんなことも調べてみてわかるレベルです。私の知識も一般的だと思います。

 で、この自販機のボタンの部分をみてみると「どの用途に使えるか」「どの素材がおすすめか」はっきり提案してくれているんです。ざっと書くと、「オススメ!こだわり素材『雲入り』」「女性におすすめ!!実印・銀行印向け」「時には見栄えも必要や!!ちょっと贅沢しませんか?」「この重厚さ男心をくすぐります!『漢』の実印・銀行印」みたいな。朱肉付き!の印鑑ケースも変えるようになってるんですね。

*「細部」にも工夫を施す。積み重ねる

 子どもながらに親が印鑑を使っている姿をみたことがあって、銀行の貯金通帳と同じところに「これは大事なものだからね」って一緒にしまってある。ハンコってそんなイメージだと思うんですね。どこか高尚な存在としては認識してるんだけど、自分で作ったことはないみたいな。ちなみに私は高校の卒業のときに学校からはじめての名前入りのハンコをいただきました。記念品として。

 自動販売機でハンコを売る、ただそれだけだったら誰でもできると思うんですけど、お客様の用途とかこだわりとか、困ったり悩んだりする部分を考えて先回りして提案をしてあげるのって誰でもできることじゃないと思うんですね。いや、「頭を使えば誰でもできること」だったりすると思うんですが、誰しもが「やりきれて」いることではないと思うんですよ。

 「神は細部に宿る」じゃないですけども、ドン・キホーテは店舗の端っこに置いておくこんなハンコの自販機にも工夫をしているってことなんですね。この工夫をしていることによってハンコの売上が2倍とか3倍になることはないと思うんですが、2割や3割は成果がアップする「かもしれない」。細部にもこんな「積み重ね」ができることが、その圧倒的な個性を生み出しているんじゃないかと思うんです。

 ぜひドン・キホーテのハンコの自販機、チェックしてみてください。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 9.Eコマースこぼれ話

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。