ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

Eコマース事業戦略の「背骨」。6つのフェイズ【no.1586】

 Eコマース事業の戦略について考えていきます。Eコマース事業には戦略の背骨として6つのフェイズがあります。今回はこの6つについて解説をしていきます。

*顧客像の設定

 自社のネットショップはお客様のどんな課題を解決するか。自社のネットショップをお客様が活用する目的は何なのか。自社のネットショップを利用するお客様は商品をどんな用途で使用するか。お客様をイメージしてネットショップの顧客像を設定していきます。顧客像の設定は「お客様がネットショップと商品を探す・見つけるまでのストーリーづくり」のようなものです。できるだけ具体的な顧客像を設定してみましょう。いわゆる「ペルソナ」ってやつですね。

*お客様に「知ってもらう」ために

 お客様に知られていないネットショップ(WEBサイトでも然り)は存在していないものと一緒です。Eコマース事業を成長させるためには「どうやってお客様に知ってもらうか」に半分以上の時間を使うことが大切です。ヒントになるのは顧客像の設定でも考えた「課題解決」「目的」「用途」というキーワードです。お客様のインターネット上での購買行動の中で「お客様がどんなきっかけでネットショップと商品を見つけてくれるか」を考えましょう。そこから逆算して「知ってもらう」ための戦略と具体施策を組んでいくのです。

*お客様に「興味を持ってもらう」ために

 お客様に「知ってもらう」ことはでき始めている。ネットショップで取り扱っている商品も悪くない(と思う)。でもあまりお客様からの反応が良くない。集客と商品を繋ぐ「提案」がうまく回っていないからかもしれません。お客様に「ここは自分のためのネットショップだ!」「この商品が欲しい!」と思ってもらうためにはネットショップの提案力を上げる改善が必要です。ネットショップの7つの業務では「WEB制作」と「カスタマーサポート」に関わります。

*お客様に「注文してもらう」ために

 お客様がネットショップにアクセスしてくれている。新しい商品を定期的に発売したり、販促企画などのキャンペーンをしたりしてお客様を盛り上げている。それでもお客様の反応が上がらないのはネットショップの「情報」が足りないからかもしれません。インターネットのビジネスはマジックミラーの状態であることが大切です。お客様に信用し安心して購入いただくために、ネットショップ側の情報はできるだけ開示するのがベターです。決済方法や配送方法などではお客様の「選択肢」も広げましょう。

*お客様に「リピートしてもらう」ために

 常に新しいお客様が購入することだけで成り立っている商売はほとんどありません。一部のビジネス、不動産だけといってもいいかもしれません。99%以上の商売はお客様にリピートをしてもらうことで利益を上げていきます。お客様によりネットショップと商品の良さを知ってもらい、リピーターになってもらうためにはどうすればいいか。お客様に「ネットショップを楽しんでもらう」ため「商品企画/商材開拓」「WEB制作」「運営」「カスタマーサポート」のメンバーが知恵を振り絞っていきます。

*お客様に「口コミしてもらう」ために

 お客様にリピートしてもらうことも大変ですが、さらに大変なのがお客様に「口コミしてもらう」ことです。ただ、ネットショップを続けるためにはこの「お客様が次のお客様を紹介する」状態を目指しましょう。とくにTwitterやFacebook、インスタグラムなどのソーシャルメディアが文化として活用されている時代です。情報の拡散性が強くなっています。お客様にお客様を呼んでいただき、自然とネットショップにお客様が集まってくるようになれば、より良い商品とサービス、面白い販促企画を提案できるようになるはずです。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。