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インターネットの活用は「3+1」に集約される!【no.1593】

 インターネットの活用はEコマース(ネットショップ)だけではありません。自社のビジネスを推進させるためにインターネットの活用が不可欠な世の中になりました。インターネットの活用はビジネスモデルによって「3+1」に分けることができます。今回はこの「3+1」について解説していきます。

*「ネットで集客し、ネットで決済をする」パターン

 ひとつ目は、インターネットでお客様を集客してインターネットで決済をしてもらう「Eコマース」のパターンです。ネットショップのような「モノ」を販売している物販だけではなく、LINEスタンプやソーシャルゲームのように「データ」を販売しているビジネスも、この「ネットで集客し、ネットで決済をする」パターンに含まれます。

 このパターンの特徴はすべての購買行動がデジタル上で完結することです。ですから商圏の無い世界での戦いになります。市場規模は無限である一方、日本だけではなく世界の事業者とも競わなくてはいけません。ネットショップであればAmazonとどうやって差別化させるかがひとつのテーマですね。

*「ネットで集客し、ネットでアクションをもらい、リアルで決済をする」パターン

 ふたつ目は、インターネットでお客様に会社やサービスの存在を認知・理解してもらい、その後のリアルの交渉によってビジネスが展開してくパターンです。インターネットからの集客の落しどころは決済ではありません。アポイント・問い合わせ・資料請求・見積依頼・相談などをインターネットを経由して受け、対面もしくは電話等々などでビジネスが進んでいきます。

 BtoBのビジネスをおこなっている会社はこのふたつ目のパターンでインターネットを活用しているのではないでしょうか。このパターンの特徴はひとつ目のパターンと異なり「ある程度商圏が限られる」ということです。対面して交渉を進めていくことを前提にすれば、時間的・金銭的コストによりリーチできる範囲が限られます。

 実はインターネットでまだまだチャンスが転がっているのは、このように「リアルを挟む」ことかもしれません。

*「ネットで集客し、リアルに誘導する」パターン

 三つ目は、インターネットでお客様に認知をしてもらい、リアルの場にお客様を誘導するパターンです。このパターンではお客様のインターネットでの具体的なアクションはありません。実店舗や催事・イベントなど「リアル」にアクセスしてもらうことを目的としてインターネットを活用します。いわゆる「ブランドサイト」などはこのパターンにあてはまるでしょう。

 ただ、インターネットでのお客様のアクションを特に求めないとはいえ、WEBサイトの改善や分析が必要ないかというとそうではありません。WEBサイトにアクセスしてくれたお客様がどんなページを見てくれているか、どんなキーワードを検索したか、そしてWEBサイトのアクセスとリアルのアクセスの相関性はあるのかなどを分析し、よりリアルにつながるように改善活動を回していくことが必要になります。

「ネットで集客し、ネットで決済をする」パターンのようなお客様の一連の購買行動が見えないので、なかなか奥が深いのです。逆にいえば、真剣に取り組むことで他社と圧倒的な差をつくることができると思います。

*「ネットで集客する」だけのパターン

 最後に「3+1」の1のパターンです。これは先の3つとは性質の異なるおまけのようなパターンになります。「ネットで集客する」だけのパターンです。メディアサイトを思い浮かべてもらえるとイメージがしやすくなります。メディアサイトの多くは広告収入(スポンサー収入)によって成り立っています。インターネットでの集客力が上がれば上がるほど、それ自体が収益に結びついていくのです。

 ほとんどの会社は「3つ」のパターンのうちのどれかでインターネットを活用し「+1」はレアケースになると思います。皆さんの会社はどのパターンでのインターネット活用でしょうか。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。