ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

販促企画は自社のお客様の「目的・用途・課題解決」を盛り込むのが重要【no.1599】

 売上があがるパターンというのはふたつしかありません。ひとつが「新しいお客様が利用してくれるようになる」ということ。そしてもうひとつが「いまのお客様がもっと利用してくれるようになる」ということです。

 Eコマースの仕事としては、前者が「もっとたくさんのお客様に知ってもらう(認知してもらう)にはどうすればいいか」というテーマになり、後者は「もっといまのお客様にお買い物を楽しんでもらうにはどうすればいいか」というテーマになります。

 そして「もっといまのお客様にお買い物を楽しんでもらう」としてEコマース運営側がお客様に提案できることはふたつしかありません。ひとつは「商品」もうひとつは「販促企画」ということになります。今回は「販促企画」の成果判断について解説をしていきます。

*自分たちが知恵を絞り、汗を流せば実現できるのが「販促企画」

 お客様に自社のネットショップでのお買い物をもっと楽しんでもらうため。もっとシンプルにいえば来店頻度を上げてもらうために簡潔なのは新しい商品を発売し続けること、既存の売れ筋商品を切らさないこと、売れ筋商品の横展開・縦展開の商品を企画すること、つまり「商品」の改善です。

 ただ常に新しい商品を発売し続けられるわけではありません。商品企画のタイムラグ、商材開拓のタイミング、仕入れロット数や自社の在庫金額の状況などにより、新しく販売できる商品については時間的・資金的な制限があるはずです。

 そこで取り組みたいのが「販促企画」です。季節性やトレンド・流行のタイミングに合わせて新作商品だけではなく売れ筋商品・旧作商品を組み合わせて「目的・用途・課題解決」を提案し、販売していくのです。「販促企画」の特徴は、自分たちが知恵を絞り、汗を流せば実現できること。新商品が発売できなくても、「販促企画」を回していくことはできます。

*「販促企画」は最初はハズす。継続して上手くなる

 販促企画は最初はだいたいハズします。スタート当初のアイデアとしてありがちなのが「バレンタインだから送料無料」「春だからパンプス特集」というような、イベントと特典がいまいち合っている感じではないミスマッチや単なる値引き、単純に商品を集めただけというようなものです。

 私も販促企画が上手だとは言えないレベルですが、たとえば「バレンタインだからハート型のネックレスで逢いにいこう」とか「春だから遠くへお出かけして欲しくて楽ちんパンプス集めました」というような感じ。「●●だから(季節性・トレンド・流行)、お客様が××(目的・用途・課題解決)なので、△△(特典)をおつけします。◆◆(商品・サービス)を集めました」の「お客様が××(目的・用途・課題解決)なので」ここがポイントなんです。ここは「自社のお客様の目的・用途・課題解決」がわかっていることが重要です。

 どうしても最初は「イベント性×商品・サービス」だけの販促企画になってしまうのでお客様からの反応が薄いのですが、これは継続していって上手になっていくしかありません。

*販促企画の成果判断方法

 販促企画が上手になっているか、お客様に楽しんでもらえたかの判断をする方法です。販促企画の成功には二段階あります。

 まず一段階目が「お客様が販促企画のページにアクセスをしてくれたか」。これはネットショップ内のヘッダー、サイドナビ、フッターの導線で企画の面白さ・期待値を伝えられたかや、メルマガ等の集客においてのお客様の反応を表します。もう一段階が「販促企画で取り上げた商品をお客様が買ってくれたか」です。商品力ももちろんですが販促企画のテーマに適した商品の見せ方ができていたかも成果に関係してきます。

 オススメなのは「売上」を狙うよりもまず「アクセス」を狙っていくことです。販促企画で取り上げている商品は売れなくてもいいので、販促企画のページにどれだけアクセスが集まったかを成果検証していってください。売上が上がると一見販促企画が当たったように感じてしまうので注意が必要です。アクセスを評価軸にして企画の面白さを追求していきましょう。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 3.Eコマースの収益アップ

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。