ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「ネットショップ道場」全9回のセミナーテーマ【no.1644】

 昨年の5月から今年の2月にかけて中小機構×上越市の共催イベント「ネットショップ道場」に師範として参加させてもらいました。道場なので講師ではなく、師範です。といっても、ECMJはあくまでコンサルタントですから道場生である参加者の皆さんの方がEコマースの現場に近いわけなので、皆さんに教えてもらうことの方が多かったりもしたのですが。

 ネットショップ道場では全9回のミニセミナーを開催しました。毎回ひとつのテーマを設定して、私の経験値からテーマに対する考え方や対策を伝え、自社ではどのように取り組むことができそうか、道場生の皆さんにディスカッションをしてもらいました。

 この9つのテーマは他の自治体や企業の勉強会でも使える内容だと思うので、今日は9つのテーマを紹介したいと思います。(初回はコミュニケーション回なので省きます)

*第二回:マーケティングの原理

 Eコマースの原理は「データを取って、毎日カイゼン」です。これはEコマースに限らずすべてのインターネットマーケティングにいえるセオリーだと思います。まずは今までに体感した経験が少ないこのセオリーを学ぶこと、またECMJが提案している「実行数値管理表」を活用して「数字を見る。理由を考える。仮説を立てる。実行する」のサイクルをつくってもらえればと思います。

*第三回:集客の概念

 Eコマースのマーケティング活動を進めていく際に、必ずぶち当たる壁は「集客」です。Eコマースの改善活動には様々なものがありますが、「新しいお客様にどうやって自社の存在を知ってもらうか」以上に難しい問題はありません。ネットショップ道場では、まず一番の課題である「集客」についてその原理を道場生の皆さんに共有しました。

*第四回:広告戦略

 ネットショップの売上を成長させていくために「インターネット広告」の活用は欠かせません。できるだけ広告を使わずにお客様に知ってもらう、興味を持ってもらうことが大切ですが、加速的な成長のためにはやはり広告が必要になります。広告活用において大切なのは、広告分析です。広告分析を繰り返すことで広告効果を底上げし続けることができます。

*第五回:差別性と付加価値

 誰も考えたことがない商品、どのお店でも売っていない商品を販売しているネットショップは無いはずです。自社オリジナルの商品だったとしても、どこかに似た商品を販売しているネットショップがあります。大切なのは差別性として何を強調して伝えていくか、付加価値として何を加えていくかです。自分をよく知り「市場で勝てる理由」をつくらなければEコマースでは生き残れません。

*第六回:競合分析

 Eコマースの運営で陥りやすいのが「自社のネットショップしか見ない」という状況です。競合のネットショップは意識をしないと目に入ってきません。ただお客様は自社のネットショップと競合のネットショップを比較して商品を選んでいます。自分たちも競合分析をして「外側から」ネットショップを選択する理由を探したいところです。

*第七回:スケジュール管理・タスク管理

 有効なノウハウや考え方を持っていても、それを実践しなければ成果に繋がることはありません。大切なのは知識と知恵を得ることと同時に、それを着実に活用していくこと。そのためにもスケジュール管理とタスク管理が大切になります。特にネットショップ更新の優先順位が下がっている会社は注意が必要です。

*第八回:商品分析

 「実行数値管理表」とともに活用したいのが「商品別販売実績管理表」です。このエクセルを活用することで「商品が売れていない理由」を絞り込み仮説・実行・検証がしやすくなります。時系列で確認すると自社だけのトレンドの流れもみえてくることになりますから、在庫の確保や販促企画のスケジューリングなどにも役立ちます。

*第九回:ネットショップ担当者育成

 ネットショップの担当者はおそらく採用できません。これからも市場から採用できない状態が続いていくでしょう。なぜなら店長をやった経験がある人材が「他社でネットショップ店長をやりたがる」というケースが少ないからです。ネットショップの担当者は潔く自社内で育てるしかありません。その方が商品知識もありスムーズです。

 以上、全9回のテーマを紹介しました。自治体や企業の皆さん、「ネットショップ道場」を開催してみませんか?

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。