ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

認知と集客の「3+1」の方法、2019現在の市場環境は?③【no.1780】

(前回のコラムのつづき)

 認知と集客の「3+1」。現状のデジタルマーケティング市場環境からすると、はたしてどこを狙っていけばいいのか。2019年の現在を考えるコラムの3回目。前回は「人が人へ情報を拡散することで認知と集客を獲得する」メディア戦略について、自社の目的と対象を分析してメディアを選定することが大切、ということを書きました。

*リアルの顧客データをネットに流して認知と集客を獲得する

 インターネット広告、検索対策、メディア戦略。この3つが「3+1」の「3」の部分。「+1」はリアルの顧客データをネットに流して認知と集客を獲得する方法になる。これはあくまで「+1」。なぜなら企業によってはこの「+1」を実現できないところもある。ネットサービスの専業の会社などは「+1」を加えるのが難しい。実店舗を出したり、展示会やイベントに参加したり、商品やサービスをリアルの場においてもらったりして認知と集客を広げていくわけだ。

 つい数年前(5~10年前)は実店舗を出店するネットショップも多かった。ネット広告に投資をするよりは実店舗を出店した方が認知と集客、そしてお客様の「体験」に繋がる、ということだったのだけれど、最近ではあまり聞かなくなったように思う。リアルへの進出戦略が思ったより認知と集客につながらなかったのか、それともリアルならではのコスト構造にモデル変化させるのが難しかったのか。

 ともかく、インターネットの世界でも「リアルがあること」が有利であることは変わりない。そういう点ではネット専業の時代は終わった・・というよりも、リアルのコスト構造も活用できるようなビジネスモデルでないと勝負をすることが厳しい市場環境になった、ということのように思う。

*2019年の認知と集客の「3+1」の現在地は

 まず「3」の部分である、インターネット広告、検索対策、メディア戦略の3つの中で、5年前と比較して成果がわかりづらくなったのが「検索対策」ではないかと思う。コンテンツマーケティングはなかなか継続するのが難しい打ち手なので、これからでもチャンスがないわけではないが、検索エンジンがパーソナライズを強めている節があるため、「何を軸に成果を判断すればいいのか」がイマイチわかりづらくなっている。

 市場環境的にはメディア戦略における「SNS戦略」の重要性が高まり、認知や集客がSNSに向く商材やサービスにおいてはソーシャルメディアの活用は不可欠になった。ただ「新しい」「面白い」ものでないとユーザー側が食いついてくれ、拡散してくれないのは5年前もおそらく今後も一緒。派手な商品・サービスでなければ、とにかく情報発信を継続するしかない。もしくは「バえる」商品・サービスに自社を転換させていくか、だ。

 なんだかんだ王道なのはインターネット広告なのではないかと思う。いや、厳密にいえばインターネット広告というよりも、ネット・リアル問わない「お金を使って認知や集客を獲得する」方法。なのでリアルの手法であるダイレクトメールやセミナーなども強いのではないかと。検索対策やメディア戦略が、ある程度「無料でできるもの」として浸透してきた背景もあり、やはりなんだかんだで「お金を使う」方法は差別性があるというわけだ。

 ここでポイントになるのは「お金を使って認知や集客を獲得する」方法を活用しても収益化できるような、付加価値の高い商品やサービスをつくれるか、ということ。つまりお客様に納得してもらえる「利益率の高い」サービスが提供できるかということ。検索対策やメディア戦略など「無料でできるもの」も良いのだが、「無料の集客導線」でないと収益性が図れないとしたら、それこそ大問題となる。やっぱり最後は「コンテンツ」に戻るのだ。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 8.Eコマースの集客

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。