ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

デジタルマーケティング「運用体制構築」のポイント。後【no.1786】

 先日おこなった「WEB運用体制構築」セミナー。デジタルマーケティングの「運用体制構築」について紹介する後半戦です。

*「運用体制構築」4つのポイント

 後半戦は、「運用体制構築」4つのポイントを紹介したいと思う。ちなみにセミナーは「WEB運用体制構築」というテーマでおこなったのだけれど、デジタルマーケティングの「運用体制構築」と変わらないので悪しからず。4つのポイントはまったく同じです。

 最初に4つのポイントを挙げると、「①.評価を整理すること」「②.運用チームを構築すること」「③.通常業務を整理すること」「④.運用方針決定の時間を取ること」この4つになる。それぞれがそれぞれに影響しあっている部分もあるのだけれど、ひとつひとつ解説していきたいと思います。

①.評価を整理すること

 デジタルマーケティングの「運用体制構築」を構築するにあたって、まず大切になるのはチームメンバーを集めることでもマーケティングツールを決めることでもない、新しい業務に取り組む際の「評価の整理」が重要になる。

 デジタルマーケティングの業務は、多くの場合、現状の仕事「+ON」の仕事になる。専任の担当者でなければ、現状の業務をもったまま、デジタルマーケティングの運用業務がのってくることになる。当然、現状の業務の方が慣れているし、成果の出し方もわかっているはずなので、デジタルマーケティングの運用は優先順位が下になりやすい。初めに業務の評価を加えることが大事になる。

②.運用チームを構築すること

 「運用体制構築」は、「運用チーム構築」と「運用サイクル構築」のふたつに分けられる。「運用チーム構築」にまさに当てはまるのがチームメンバーのアサインになる。

 初期の段階として、3人~7人ほどの運用チームを組織したい。また、最初から専任ではなく(専任の方が理想ではあるが)現状の業務との兼任のプロジェクトチームで良い。ただ、①に書いたとおり「評価」を定義しておくこと。この部分がないと必ず優先順位が下がり、やっているかやっていないかわからない状態になる。

 インターネットを活用したデジタルマーケティングを展開する場合、特にWEB制作ができるメンバーが必要になるのでアサインしたい。その他、WEB開発など専門性が関わる部分は、頻度高く意見交換のできるパートナーを用意しておいた方がいいです。

③.通常業務を整理すること

 「評価の整理」のところでも書いたとおり、デジタルマーケティングの運用はいままでの業務の「+ON」の仕事になることが多いと思います。ただ、デジタルマーケティングを進めていくにあたって、インターネットを活用した「認知拡大」や「集客戦略」、そして常日頃からの定期的なサイト更新と改善は必須の仕事になります。

 これらの仕事を、これまでの仕事のやり方から変化させ、いかに「通常業務化」してもらうかが重要になります。一過性のもので、今だけ頑張ればいいものではないのです。そのためには現状の通常業務を少しずつ整理していき、デジタルマーケティングの運用が全社的に「当然」の文化をつくっていかなければいけません。

④.運用方針決定の時間を取ること

 まず一歩としてスタートして欲しいのが「運用方針決定の時間を取る」ということです。デジタルマーケティングの運用に関する定期的なミーティングの開催で構いません。その場で何を決めるかは別として、「まず時間を取る」ことからです。「ネタがあったら開催する」では優先順位が下がっていくだけです。結局開催されないでしょう。

 どうしても「費用対効果は」「売上につながるのか」を最初に考えてしまいがちですが、既存の仕事と比較すれば「すぐに実績に繋がらないのは当たり前」です。「すぐに実績に繋がらないからやらない」では永遠にスタートすることができないでしょう。

 実はこの「時間を取る」は本質的に最重要の項目です。時間を取って進捗させていくことにより、①②③の問題はいずれ炙り出され、デジタルマーケティングの「運用体制」も時間とともに最適化してきます。まずは「時間を取る」ことからです。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。