ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

目標のために「小さな改善」を積み重ねる【no.1861】

 実は、というほど改まっていうことでもないんですが、今年の2月から某スポーツジムに通ってるんですね。昨今はやっている「暗闇で回りを気にせず音楽を楽しみながら運動する」みたいなのがあるじゃないですか。あのカテゴリのひとつの某スポーツジムです。名前を書いてしまうと会員検索されてしまいそうなので(別にそれも問題ないんですが)名称は伏せます。

 もちろんジムに通いはじめた理由としては「1月の健康診断であと4キロは落としましょう」と言われてしまった・・とか、そういった健康的な動機なのですが、職業柄、このスポーツジムに通っていると「お、こういうようなシステムになってるんだ」とか「ここきっとマーケティングのポイントなのかも」とかいったようなところが気になってきちゃうわけですね。

 今回のコラムは目標のための「小さな改善」について。

 このスポーツジムに通いはじめてから気になったこと、いくつもあるんですが、「小さな改善」で「お!?」っと思ったことをひとつ共有したいと思います。

 このスポーツジムは「暗闇で回りを気にせず音楽を楽しみながら運動する」系のタイプなので、筋トレスペースなど自分のタイミングではじめて自分のタイミングで終わらせられるということができなく、すべてレッスンプログラムに合わせて運動をおこなっています。1日に8つぐらいのプログラムスケジュールが決まっていて、会員はその中から参加できるものを予約して参加する、みたいな。

 レッスンの参加はNIKEとかアディダスとか、スポーツウェアだったら当然なんでもよいのですが、このスポーツジム自体がスポーツアパレルのブランドを出していて、レッスンスタジオにシャツやらレギンスやらをアパレルショップさながらマネキンなどをつかって見せているんですね。このアパレル販売もスポーツジムの大きな収益源になっているようで、インストラクターさんのアパレル営業もけっこう激しかったりします。

 で、ひとつ気づいてしまったことがあって、レッスンの開始前と終了後で、アパレルの並び方が変わってるんですね。奥の方にかけてあったシャツが前の方に出ていて、前の方に出ていたレギンスが奥のマネキンが履いていたりする。まあ、マネキンが自らレギンスを履くことはないですから、レッスンの間に受付を担当しているインストラクターがアパレルの配置を変えているんですね。

 会員にとってレッスン前とレッスン後のわずかな時間がアパレルをみるタイミングになるわけですが、レッスン中に商品のレイアウトを変えておくことで、よりいろんな種類のアパレルが目に入るようにしているわけなんですね。1日にプログラムが8回あるとしたら、1時間おきに8回アパレルの配置を変えるわけですよ。これってすごくないですか。アパレルを専門にしているショップでも1日に8回も配置は変えないと思います。

 で、なぜこれをやるか。なぜこれをインストラクターの皆さんがやるのか。ここが気になるところなわけですが、ひとつは「マニュアルに入っている」可能性があります。運営マニュアルに「レッスンの時間中にアパレルの配置を変え、会員さんが様々なアパレルを確認できるようにしておく」みたいな項目がおそらく入っているはずです。

 そしてもうひとつは、アパレルの売上が「ノルマ」ではなくても「目標」として設定されている可能性があります。店舗間でアパレル販売レースみたいなことがおこなわれていて、優秀店舗に金一封が出される、みたいな。実は運営マニュアルに「アパレルの配置を変える」という項目はなくて、アパレルの売上目標を達成するために現場のインストラクターの皆さんが考えた施策が「アパレルの配置を変える」だったとしたらそれこそ素晴らしい人材育成ですよね。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 7.Eコマースのひと工夫

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。