ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

難易度高!自社ECサイトの成功のポイントを理論的に解説【no.1866】

 自社ECサイトのご相談が増えています。

 ある程度ショッピングモールでのEコマースを経験していて、その上で自社ECサイトを成長させたいと思っているという会社さん。もしくは、まだ本格的にEコマースに力を入れていないけれど「ショッピングモールのビジネスモデル」を事前に勉強した上で、自社ECサイトで勝負がしたいという会社さん。両方のケースがあります。

 ご存じのとおりショッピングモールのEコマースは売上に対するロイヤルティが課されるところが多く、またマーケティングについてもショッピングモールの方針依存になってしまう部分があります。コスト面、拡張性を考えても「ぜひ自社ECサイトで!」というのは確かなところなのですが、ショッピングモールで月商数千万円のネットショップでも自社ECサイトでは月商数百万円というところがほとんど。場合によっては月商数十万円というところもあります。

 そして驚くことに、こういった会社さんも昨日今日、自社ECサイトの運営をスタートしたわけではなく、10年以上も前から自社ECサイトに本格参戦していたりするわけです。東京はじめ巷の勉強会で、「本店ECの売上を伸ばす方法」のテーマが未だに続いているのがそれを表わしているのかもしれませんね。とにかく、ショッピングモールで月商数千万円をつくれるような「Eコマースの剛腕」でも容易ではないのが、自社ECサイトでの売上アップというわけです。

 自社ECサイトの成功のポイントについて、理論的に解説していきます。

 まず、自社ECサイトが必ず成功するパターンというのがあります。成功の定義が「年商1億円」なのか「年商100億円」なのか会社さんによってそれぞれだと思いますが、少なくとも「自社ECサイトをオープンした瞬間に売上が立つ」パターンがあります。実店舗(以下、「リアル」と表現)で絶対的なブランドがある会社です。たとえば、「ユニクロ」です。ユニクロがECサイトを立ち上げて売れないわけがありません。その日から売上が立ちます。

 多くの会社さんはリアルでの絶対的なブランドをもたないですから、自社ECサイトを立ち上げたばかりは売上どころか「アクセス」のデータすら思うように上がってきません。中小企業のEコマースにとっては自社ECサイトへの「集客」がまず大きな課題になります。そこで「インターネット広告!」というのはちょっと早計で(商材によってはアリなのですが)、基本的にここで成功に近くなるのが「ユニクロほど」ではなくても、リアルでの認知度がある会社さんです。リアルでの認知はそのまま自社ECサイトの集客に影響します。

 ただし、リアルの認知がそのまま自社ECサイトの「売上」に繋がるのかというと話は別です。同一ブランドのショップをショッピングモールでも出店している場合、基本的にお客様はポイントなどの特典が強いショッピングモールの方で商品を購入します。自社ECサイトだと別途会員登録をしなければいけないのもハードルです。ここで判断が問われる選択肢があります。ショッピングモールの出店をやめ、自社ECサイト一本に絞ればいいのです。ただ、これは売上大幅減のリスクもあり、多くの会社さんが悩まれるところだと思います。

 自社ECサイトは「お客様が自社ECサイトで購入したい」理由が必要になります。自社ECサイトだけの「サービス」・・という手もありますが、まず先行するべきなのは自社ECサイトだけの「商品」でしょう。自社ECサイトは少なくとも小売りの商品では成り立ちません。自社ECサイトの成功は「自社オリジナル商品」の開発とセットで語られることになります。では「自社オリジナル商品」をどうやってつくっていくかという話です。

(続く)

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。