ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

「自社オリジナル商品」を企画するときの考え方【no.1867】

 自社ECサイトを成長させていくために「自社オリジナル商品」は切っても切り離せない関係にあります。サービスやコンセプトでいくら先行していたとしても、自社ECサイトでしか販売されていないオリジナル商品がなければ、お客様はショッピングモールでの購入を優先する可能性が高いわけです。

 では「自社オリジナル商品」をいかにして開発していくか。これは非常に難しいテーマで、コンサルタント側よりも自社のメンバーの方が「詳しい」のが通常ですが、「考え方」をまとめていきたいと思います。

 まず単品商品として自社オリジナル商品はなくても、「セット売り商品」として自社ECサイトだけの商品を取り扱う、という考え方です。「セット売り商品」であれば、商品企画の悩みや在庫ロットの悩みがありません。Eコマース担当メンバーの知恵と工夫で、トレンドや季節に合わせた「セット売り商品」を開発することができます。ただし、「小売り商品の組み合わせ」と考えるとインパクトが弱いのは仕方ありません。

 単品商品を開発する場合としてシンプルなのが、売れ筋の「縦展開」「横展開」商品を開発することでしょうか。たとえば、仕入れの商品で売れているハンドバッグがあるとします。この商品自体は仕入れ商品ですので差別性は低いですが、このハンドバッグのデザインを活用した「ショルダーバッグ」をつくったり、「カラーバリエーション」を自社オリジナル色として増やしたりすれば「縦展開」「横展開」が可能です。もともとのハンドバッグは売れ筋なわけですから、比較的リスクが少なく「自社オリジナル商品」を開発する方法になります。

 データを活用する方法もあります。自社の販売データを分析して、独自の売れ筋の傾向がみえているものを「自社オリジナル商品」にするのです。仕入れ商品を販売しているネットショップの強みは「お客様」と直接つながっていることです。これは「お客様の声・レビュー」というような定性的なデータや、「商品別・カテゴリ別」といった定量的なデータにあらわれます。定性的・定量的の両面でのデータ分析から、「お客様の傾向」を探していくのです。仕入れ先よりも先にその傾向を掴むことができれば、「自社オリジナル商品」の開発が大きなチャンスになるはずです。

 そして、決定的な「自社オリジナル商品」の開発の考え方は、「市場で売れている商品を開発する」です。「自社オリジナル商品」の開発というと、当たるも八卦当たらぬも八卦である程度の理屈を押さえた上、経験と直感と勘で発注に飛び込む・・というようなイメージがありますが、そこまで肩ひじを張らなくても「市場で売れている商品を売れ」ば、確実に売上に繋がるはずです。そのためにショッピングモールのランキングや検索順位に注目をします。自社なら「同じ商品を同じような値段でより付加価値をつけて」販売することができるかを検討するのです。ただし、この方法は確実性は高いのですが、若干ショッピングモール向けの戦略であることは否めません。

 ということで、あくまでコンサルタント側から考える「自社オリジナル商品」の開発について書いたわけですが、「自社オリジナル商品」の開発のヒントは自社の内部だったり、実店舗に来店するお客様の声だったりに隠れているケースが非常に多いです。普段は「その意見、オリジナル商品の開発に役立てよう!」と思って仕事をしているわけではないと思うので、やっぱり大切なのは「今日あった情報を忘れずに残しておく」習慣なのではないかと思うわけです。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。