ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

Eコマースで「瞬間最大風速」を最大限つかむために。【no.1868】

 Eコマースのマーケティングを展開していく中で、「瞬間最大風速をいかにつかむか」が大きなポイントになります。今回は「瞬間最大風速をつかむ」ための話。

 日々自分たちがEコマースサイトの改善やお客様に向けておこなっている施策。これを自分たちでコントロールすることができる「内的要因」だとすると、「瞬間最大風速をおこす要因」は自分たちでコントロールすることができない「外的要因」と呼ぶことができます。

 たとえばネットショップで取り扱っている商品がテレビで紹介される。自社が扱っている商品カテゴリが「免疫力を高める」と雑誌で紹介される。TwitterやInstagramでユーザーが投稿した内容がバズり、商品が探される。これらの「瞬間最大風速」は自分たちでコントロールすることができない「外的要因」であると言えます。

 この「外的要因」はいつなんどきどんなカタチで起こるか予測不可能なので、自分たちの「施策化」することはできないのですが、「外的要因」にたいして「対策・対処」することはできます。たとえば、大地震はいつ起きるかわからない自分たちでコントロールできないことですが、大地震が起きたときのために防災用具をまとめておくといった「対策」や、大地震が起きたら近くの公園にすぐ避難しようといった「対処」を事前に決めておくことができるわけです。

 そしてこの「対策・対処」を事前に決め、いざ「外的要因」が起こったときにすぐ対応することができるのか、それとも対応が遅れてしまうのか、それによって「つかむことができる瞬間最大風速」が決まるわけです。テレビなどメディアで商品が紹介されたとき、スマホ検索によって一気に「瞬間最大風速」が吹きます。ただ情報社会の中で、「瞬間最大風速」が吹くのは長くとも1日~2日です。もっとも良くないのは「瞬間最大風速」が吹き終わった後に、「あれ、この日ってなんかあったんだっけ?」と追い風が吹いたことすら気づかないことです。

 「外的要因」は自分たちでコントロールすることができないので、いつなんどきどんなカタチで起こるかわかりません。ここがポイントであり、「瞬間最大風速」に対応するためには追い風が吹いた瞬間に「追い風が吹いたことに気づく」社内の仕組みが必要になるわけです。ECMJとして紹介したいのはふたつのポイントです。

 ひとつはデータを常にウォッチしておくことです。自社のネットショップに追い風が吹いた場合、まず「アクセス」という形でその追い風がデータにあらわれます。ECMJコラムでたびたび紹介している「数値管理表」を運用することで、日々のデータからの「異常値」に気づくのです。「数値管理表」は日次のデータ管理ですから、最悪「瞬間最大風速」が起こった翌日には異常に気付くことができます。これならまだ対応が間に合います。Googleアナリティクスのリアルタイムのアクセスデータを常に表示させておくのも手です。

 もうひとつは社内の情報共有をスムーズにしておくことです。自社の商材やサービスにかかわる「外的要因」がおこったとき、自社のスタッフがその変化に気づかなくてもお客様が教えてくれる場合があります。ネットショップにお問い合わせのメールや電話をくれたり、実店舗で「Youtubeの動画でこの商品を見たんですけど置いていますか?」など情報をくれたりするわけです。

 これは「お客様のニーズ」の変化をつかむための貴重な情報です。そしていつなんどきどんなカタチで来るかわからない情報です。総務の方が電話をとったり、アルバイトの方が質問を受けたりと、必ずしも営業やマーケティング部門のスタッフが一時情報をキャッチできるわけではありません。まずは社内の情報共有を徹底すること。徹底する場や書き残す方法をつくり習慣化することが「瞬間最大風速をつかむ」ことにつながっていくのです。

カテゴリー: 0.ECMJコラムALL, 3.Eコマースの収益アップ

ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。