ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。4【no.1892】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1891)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回までは、Eコマース事業に本格的に取り組む際に悩みやすい3つのポイント、「組織と人材について」「初期コストの判断基準について」「ネットショップのコンセプトについて」これらの課題について解説してきました。今回は「自社サイトかショッピングモールか」について。

 このECMJコラムをスタートさせたのはたしか2013年の8月でした。あの頃から6年半近くが経ったわけですが、いまだに残っているのが、この「自社サイトでEコマース事業をおこなうか。それともショッピングモールでEコマースをおこなうか」という課題でしょう。

 ネットショップの運営者をやっていた時代から15年、コンサルティング会社をはじめてから10年が経とうとしていますが、いまだにショッピングモールが存在し、自社サイトだけにとって変わるということがない時代がつづいています。以前はたびたび「ショッピングモールはなくなるのではないか?」とか「楽天市場、Yahoo!ショッピング、Amazon以外のショッピングモールの台頭」なんて話もあったんですけどね。

 自社サイトを選択するか、それともショッピングモールを選択するか、それとも並行してEコマース運営を進めるのか、その判断は企業の規模やサービスの認知度に関わるところなのですが、まずは自社サイトとショッピングモールのメリットとデメリットをおさらいしておきましょう。

 自社サイトのメリットは自由度です。自社の商品やサービスに合わせたネットショップを設計することができます。またショッピングモールでのEコマース事業のようなロイヤルティがかかりませんから、Eコマース事業の手残り(利益)が多くなります。デメリットは個人データ(配送情報やクレジットカード決済情報)の入力のハードルが高いため、お客様にとって買いづらかったり、ショッピングモールの販促に負けてしまうことが多かったりすることでしょうか。最終的には自社サイトで多くの売上を、と考えている事業者の皆さんが多いと思います。なかなかそうできないのが難しいんですけどね。

 ショッピングモールのメリットは売りやすさです。ショッピングモール自体が主体となって販促や集客をしてくれるので知名度が低いネットショップにもお客様が流れてきてくれます。お客様はショッピングモール会員登録をしてくれているので、個々のネットショップに対しての個人データの入力は不要。これがお客様の買いやすさにもつながります。逆にデメリットはロイヤルティがかかること、そしてショッピングモールの販売ルールに従わなければならないこと。ネットショップで購入したお客様の顧客データについても、基本的にはショッピングモールのデータであって、あなたのネットショップのデータにはなりません。

 まず大筋の考え方として、企業や商品、サービスのリアルの認知がある一定以上あるならば「自社サイト」でのEコマーススタートの選択、あまりない場合は「ショッピングモール」のEコマーススタートの選択が基本路線です。もちろん自社サイトとショッピングモールの両方でのEコマース運営でも構いません。「認知度」については判断基準が難しいところですが、前回以前のコラムで書いたとおりWEBサイト(ホームページ)の「自然検索」がどれくらいあるか、がひとつのモノサシになります。

 もうひとつ。これは実際にEコマースをはじめた後でないとわからないことではあるのですが、ヒット商品(ヒットまでいかなくてもメイン商品)の差別性・付加価値と利益率の関係が「自社サイトとショッピングモール」の選択に関わってきます。この部分については次回のECMJコラムで解説していきましょう。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。