ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。6【no.1894】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1893)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「自社サイトを成功させるには」という視点で、自社サイト運営のポイントについて紹介しました。今回はEコマース事業の成長についてです。

 この「Eコマース成長の法則」では、基本的に会社や商品やサービスのブランド力が高くはないという前提でコラムを書いています。一部のブランド認知がある会社・商品・サービスについてはネットショップを立ち上げた瞬間にトラフィック(アクセス)や売上が発生してしまうことは前回までのコラムでも書いたとおりです。しかし、多くの会社・商品・サービスはブランド力が高いとは言えないのではないかと思います。

 Eコマース事業を成長させるために重要になるのは、一にも二にも商品です。なぜならば、Eコマースというのは基本的に物販だからです。お客様はあくまでモノを買うことを目的としてネットショップを探し、訪れます。デザイン性の高いEコマースサイトやブランドサイトとEコマースサイトが混ざったようなネットショップが、実はあまり売上がないのはそれが理由だったりもします。お客様はあくまで商品を買いにきている。商品力自体がなければいくらサイトに演出を加えても意味がない、ということは十分理解しておきたいところです。

 Eコマース事業を成長させるのは商品であり、もっと言えばネットショップの柱になるヒット商品をどれくらいつくれるか、ヒット商品を大ヒット商品・メガヒット商品に育てることができるかが、Eコマース事業の成長のポイントになってきます。ネットショップのブランド価値、運営している企業の認知をあげていくのはヒット商品が出た後になります。人はブランドを知り商品を知るのではなく、商品を知ってからブランドを知るということなんですね。ヒット商品が売上の柱になり、そしてインターネット上を回遊しているお客様を集めるための集客導線にもなります。

 ではヒット商品をいかにしてつくり上げるかです。ここにはふたつの方法があります。ひとつは自社である程度の予測を立てた上でネットショップの商品数を増やし、そのアクセスと販売状況のデータ分析を重ねながらヒット商品の芽を探していくという方法。もうひとつは市場のデータ分析を強化し、ほぼ間違いなく一定のニーズがあると思われるものをつくり込んで販売していく方法です。前者は販売商品数の中からお客様のニーズを探っていくのが特徴で、後者は販売前に市場分析を済ましてしまうのが特徴です。難易度でいえば「後者>前者」。まずは前者のEコマース運営の体制をつくってから、後者のよりマーケットインの商品企画の考え方にシフトしていくのが良いでしょう。

 Eコマースのビジネスの成長のセオリーはとてもシンプルです。お客様や市場にとって良いと思われることを10コ挙げ、その10コをやってみる。そしてその10コの成果をデータで定量的に検証する。結果が出ている5コを残し、結果が出ていない5コを捨て、また新しい5コのアイデアを出す。結果が出ている5コと新しい5コの合計10コをやってみる。そしてその10コの成果をデータで定量的に検証する。これを繰り返していくのです。繰り返していくと「より結果が出ること」しか残らなくなっていくはずです。Eコマース運営でやってはいけないのが「10コのアイデアを主観で1コに絞ること」そして「10コやった後に成果をデータで検証すること」この2つです。多くの会社のEコマース事業がこの2つのポイントを徹底できていないためにつまづいています。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。