ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。9【no.1897】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1896)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「お客様を楽しんでもらう仕事とお客様に知ってもらうための仕事」についてご紹介しました。今回は「売上ゼロの立ち上げフェイズ」についてお話します。

 前回のコラムまで書いたことがEコマース事業に取り組むために理解したおきたいことであるならば、今回のコラムからの内容はEコマース事業の売上を伸ばしていくための実践編です。ここからは自社のEコマース事業の状況とも見比べながら読んでいってください。

 さて、売上ゼロの立ち上げフェイズをどう突破するかです。Eコマース事業を軌道にのせ、成功に導くために一番難しいのがこの立ち上げのフェイズです。なにが難しかといえば「いつどのタイミングで」売上があがるか、ネットショップにアクセスがきてくれるのかがイマイチわからないからです。そのわからない中、Eコマースの運営業務を日々つづけていかなければいけません。

 以前のコラムでも書いたとおり、Eコマース事業の成功のきっかけはいつでも「商品」です。ヒット商品をつくるところまでは立ち上げ当初のネットショップでは難しいかもしれませんが、たまに売れる商品やアクセスがある商品、検索にヒットする商品など、「ヒット商品の手前」にある商品を用意することは特別難しいことではないと思います。そう考えれば、売上ゼロの立ち上げフェイズにおいてまず実践するべきことはネットショップの「商品数を増やす」ことです。

 ネットショップの「商品数を増やす」ことは、Eコマース業務においてふたつの重要なポイントを兼ね備えています。ひとつは、ネットショップの品ぞろえを強化することで、ネットショップに訪れたお客様に商品選びを「より楽しんでもらう」ことができること。もうひとつは、ネットショップの品ぞろえを強化することで、インターネット検索からのアクセスがより見込めるようになる、つまりお客様に「知ってもらう」可能性が高くなることです。

 前回のコラムで、Eコマースの仕事には「お客様に楽しんでもらう仕事」と「お客様に知ってもらう仕事」のふたつがある、そのふたつの仕事に取り組んでいくことがポイントだ、的なことを書きましたが「商品数を増やす仕事」は、「楽しんでもらう」「知ってもらう」の両方の可能性を高めるEコマースの唯一の業務なのです。売上ゼロの立ち上げフェイズでまず最初にやることは「商品数を増やす」仕事ということになります。

 基本線は「どんどん商品数を増やす」ことではありますが、より成果が出やすい商品の増やし方があります。「市場をみる」のです。つまり、いまEコマースの市場でより検索されているもの、より売れているもの、よりアクセスが集まっているものを分析し、それと同じ商品や似た商品、同じような要素をもっている商品を優先的に増やしていけば、より効率的に素早く成果に結びつく可能性があるということです。そのためにGoogleのツールやショッピングモールのマーケティングツールなどを活用してください。このあたりの話は少し難しくなるのでまた別の機会に。

 ネットショップの商品を増やしていく中で大切なのが、「データ分析」です。前述した「たまに売れる商品」「アクセスがある商品」「検索にヒットする商品」などの「ヒット商品の手前」にある商品が自社のネットショップのどの商品なのかを知るためにはデータを分析するしかありません。このあたりもGoogleのツールや自社サイト・ショッピングモールの分析機能を使えば簡単に知ることができます。Eコマース事業の成功のためにあくまで重要なのは、「実践したあとのデータ検証」なのです。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。