ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。10【no.1898】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1897)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「売上ゼロの立ち上げフェイズ」についてご紹介しました。今回は「単品Eコマースの場合はどうするか」についてお話します。

 前回のコラムで売上ゼロの立ち上げフェイズの仕事として「商品数を増やす」ことがお客様に「楽しんでもらう」「知ってもらう」の両面を満たしているので有効な手段だという話をしました。また「商品数を増やす」中でデータ分析をおこない、売上やアクセスにつながりやすい商品を探していくことも重要だという話をしたかと思います。ここで出てくる意見として「単品Eコマースの場合はどうすれば・・」というものがあるでしょう。

 単品Eコマースとは「少ない商品数でネットショップを運営する」Eコマースです。健康食品や美容系商材など定期購入や継続的な販売によってビジネスが成り立っている商材のネットショップが単品Eコマースにあたることが多いです。単品Eコマースは名前のとおりですが、その性質上、商品数を増やす戦略を取らないケースも多く見受けられます。この場合は、以下の要件を満たしていないと売上ゼロの立ち上げフェイズを突破するのはなかなか難しいでしょう。

 まずブランドや商品自体に認知があるケース。これは以前のコラムでも紹介したケースで、リアルの世界で元々ブランド認知があるならば、単品でEコマースを立ち上げたとしてもお客様の側からネットショップを探しあて、商品を購入してくれます。またインスタグラマーやYouTuber、集客力のある特定のメディアと組んでネットショップを立ち上げた場合も、売上ゼロのフェイズを突破するのは難しいことではありません。

 次に、利益率が非常に高いこと。単品Eコマースの多くがこのケースであり、利益率が高いことで多くの予算を販促広告費に回すことができます。これは後々のコラムで詳しく紹介しようと思いますが、単品Eコマースでは「利益-広告費>0」にするため、CPAやLTV、ROASなどの成果指標を細かく分析して広告戦略をつくっていきます。「商品×ターゲット×集客」のバランスが「利益-広告費>0」を突破するまでマーケティングと改善をガンガン回していくのです。

 最後に、売れることがすでにわかっているケースです。これは前回のコラムで「商品数の増やし方」としても紹介したとおり、Eコマースの市場分析をすることで「出した瞬間に売れる(アクセスが集まる)」商品をつくってしまいます。もう少し具体的に話すと、いま売れている健康食品や美容系商材の下(インターネット検索の下)に自社商品が出てきたとすれば、お客様にとって必ず比較の対象になり、選択動機があれば購入の対象になるわけです。

 この最後の「売れることがすでにわかっている商品をつくる」はスピード感や勇気と度胸が必要なので、通常ではなかなか手を出せない芸当です。ただ、前述した内容でひとつだけ、Eコマースのマーケティングにおける重要なポイントがかかれています。それは「インターネット検索の下に自社商品が出てきたとすれば、お客様にとって必ず比較の対象になり、選択動機があれば購入の対象になる」というところです。つまり、Eコマースが売れないほとんどの理由は「お客様の比較の対象や選択の対象になっていない」ためなのです。

 いかにしてお客様の「比較の対象」になるか。いかにしてお客様の「選択の対象」になるか。この視点を持っているだけで、Eコマースの成長速度が何倍も早くなります。「お客様に知ってもらうためには」の仕事ともつながってくる部分です。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。