著者:石田 麻琴

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。12【no.1900】

 前回コラム(no.1899)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「データを見ること」についてご紹介しました。今回は「市場を見ること」についてお話します。

 前回のコラムで、Eコマース運営の中核となるポイントは「データを見ること」だとお伝えしました。売上ゼロの初期フェイズにおいて、まずおすすめするのが「商品数を増やす」ことですが、ただやみくもに商品登録をおこなうのではなく、必ず定期的にデータを見ることが重要だという話でした。データを見て、適切な判断を下していくことでEコマース運営が「客観性」を帯びたものに成長していきます。まさにマーケットインの方向です。

 同時に必要になるのが「市場を見ること」です。今回は「市場を見ること」次回が「ライバルを見ること」を解説していきます。いわばマーケティング用語でいう「3C(=カンパニー、コンシューマー、コンペティター)」といったところの話でもあるのですが、この「3C」の観点が非常に重要になるのはEコマースという市場の特徴でもあります。つまり、市場を見渡すのも、ライバルと比較をおこなうのも「容易」だということです。

 Eコマース運営というと、どうしても自社のネットショップばかりを見てしまう会社さんが多いように感じます。どのようなトップページにするか、ヘッダーとフッターにどのような情報を入れるか、サイドナビのカテゴリ分けをどうするか、そしてどのような商品を販売するか、などです。おそらくこれまでのビジネスの中で市場を意識することが少なかったためマーケティングの観点が「自社中心」になってしまっているものだと思うのですが、Eコマース事業を成長させるためには「自社と同じくらい」どころか「自社以上に」市場を見なければいけません。

 たとえばショッピングモールを活用したEコマースでは、ショッピングモールのランキングからいまどのような商品が売れているのかが簡単にわかります。小売りのネットショップであれば、もしかしたらランキング1位の売れ筋商品を自社のネットショップでも取り扱うことができるかもしれません。また検索結果をみれば自社よりも売上高の高いネットショップが「どのような検索キーワードを入力しているか」を簡単に確認することができます。ある意味、マーケティングについて自分たちで「うーんうーん」と悩んでいるよりも、簡単に閲覧することができる市場の事実を参考にした方が良い場合が多いのです。

 これまでのマーケティングの考え方ではもしかしたらこれを「卑怯」と捉える方がいるかもしれませんが、Eコマース運営に関しては立派な情報です。このような市場から得られる情報を理解した上で、さらにプラスオンの自社なりの差別性や付加価値を加えていかなければいけません。元々実店舗など「リアル」で商売をやってきた会社さんは自社のネットショップの外側にある市場を見る観点が若干弱いですが、Eコマース専業の会社さんならば間違いなく市場を見た上で戦ってきます。

 「できるだけ市場を見て判断しましょう」という指示を出しても自社のネットショップを見る癖がついてしまうのは仕方がないことです。まずは定期的に市場を見る時間を設定しましょう。全員でパソコンのモニターを見ながら売れている商品や目立つネットショップ、どのような販促企画が流行っているかなどを話し合ってみてください。そうすれば必ず「自社でもこれをやってみたらいいんじゃないか?」「ウチならこんなことができそうだ」といった話になるはずです。どの方向に進むのが成果につながりそうか、市場が教えてくれることが多々あります。