著者:石田 麻琴

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。14【no.1902】

 前回コラム(no.1901)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「売上ゼロのフェイズのバックオフィス」についてご紹介しました。今回は「売上ゼロのフェイズの注意点」についてお話します。

 ネットショップというものはお客様の顔がみられません。実店舗であればお客様がお店に来店してくれ、店舗の中を回遊し、商品を手に取ってくれます。その際の表情の変化であったりしぐさだったり、また我々店舗側の人間とコミュニケーションを取ってくれたりするので、お客様の反応がなんとなく感じられたりします。しかしネットショップはお客様とインターネットを介しているので、Eコマース担当者が向き合うのはパソコンの画面ということになります。

 売上ゼロのフェイズはお客様からの反応も希薄です。注文だけではなくネットショップへのアクセスも少ないわけですから、砂漠の真ん中でお店を出しているような感覚になります。データ上はお客様がネットショップにアクセスしてくれていても、顔がみえないため実感がわきません。売上ゼロのフェイズでもっとも注意しなければいけないことは、Eコマースの運営自体を「諦め」てしまうことです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」の以前のコラムでも書いたとおり、ネットショップというのはお客様に「探される」「見つけられる」からこそ存在します。ネットショップを立ち上げただけではお客様にとって存在しないものと同じです。どのようなカタチでもお客様の「目」に触れられるようになってはじめて存在価値が出てくるものなのです。そして、お客様の「目」に触れられるようになるためには多少の時間がかかります。

 これが実店舗であれば、オープン日がもっともお客様にアピールする機会になりますし、存在自体が目にみえるカタチであるわけですからお客様が新しいお店に興味をもって店舗に入ってきてくれるかもしれません。しかし、ネットショップにおいてはそういったことはありえないのです。Eコマースは「初期費用」は低く抑えられるのですが、その分「運用コスト」がかかるということの理解が必要です。そしてこの「運用コスト」の必要性に気づくことができないと、Eコマース運営を諦めてしまいます。

 自社サイトやショッピングモールでネットショップを立ち上げ、少しの期間手を加えていたけれども、注文がこなかったのでほったらかしにしてしまった。こんな会社さんも多いのではないでしょうか。ネットショップは立ち上げただけで売上があがることはありません。立ち上げてからの運用がポイントなのです。この「運用の方法」がもしかしたらEコマース事業に取り組む皆さんがもっとも困っていることのなのではないかと思います。

 多くの会社さんでは既存の母体事業と並行してEコマースに新しい販売チャネルを拡大していく、という戦略を取られています。母体事業もあるわけですから、Eコマースの反応が鈍ければ母体事業の優先順位が上がりEコマース運営の優先順位が下がるのが当然です。ただそうなってしまった時点で、Eコマース事業の成長の芽は残念ながら消えてしまったといっても良いでしょう。

 Eコマース事業を「新しい事業の柱」に成長させるならば、事業計画と予算をつくり会社として「やりきる」状況をつくること、そしてその計画を遂行する責任者を明確に設定すること、Eコマースについて考え・施行する時間を定期的に取ること、この3つがポイントになります。やったりやらなかったりを繰り返してしまっては、時間のわりに一歩も前に進みません。