ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。15【no.1903】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1902)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「売上ゼロのフェイズの注意点」についてご紹介しました。今回は「売上ゼロのインターネット広告活用」についてお話します。

 原則としてEコマース事業を立ち上げたばかりのインターネット広告活用はあまりおすすめしません。なぜならばインターネット広告の効果が思うように上がらなかった場合、それが商品の問題なのか、ページの見せ方の問題なのか、それとも配送条件や決済条件の問題なのか、複合的な要因や市場のタイミングが絡んでいるのか、Eコマース運営に慣れていないこともあいまって、わからないことが多いからです。インターネット広告の活用は売上につながらなくても、最低限次の施策につながる「何か」を得たいところです。

 そういった点からいえば、売上を狙ったインターネット広告の活用は売上ゼロのスタートフェイズにおいてあまり意味を成しませんが、マーケティングとしての活用はまだ意味があるように感じます。つまり、上記に書いた要因のどこに問題がありそうかをなんとなく把握するための材料としてインターネット広告を活用するのです。マーケティング分析をする上での要因は主なものを上記に書きましたので、これを頭に入れてインターネット広告を活用してもらえればと思います。

 本来であれば、商品数を増やし、商品ページごとのデータを分析し、市場の状況と競合の施策をみて、自社のネットショップに改善を加え、その改善の結果をさらにデータで検証し、さらに改善を加えていく、その上でインターネット広告を活用していく・・というのがEコマースを成長させるための作法ではあるのですが、そもそものネットショップへのアクセスがないと分析をするためのデータが取れないというのもあります。また会社さんによってはEコマース事業を急激に成長させるためインターネット広告の予算を最初からとっているところもあると思います。「成果検証」することを前提にインターネット広告を活用しましょう。

 活用するインターネット広告は何がベターか、というところですがGoogleアドワーズ広告やFacebook広告のような「PPC広告(ペイパークリック)」を使うことをおすすめします。PPC広告の良いところは、広告の出稿を「好きなときに始められ、好きなときに止められる」という点です。また、広告の出稿内容を「好きなときに変更できる」という点もポイントです。ここまでこのコラムで書いてきたとおり、Eコマースのマーケティングの成功のポイントは「運用」にあります。データをみながら改善を加えていくことが成功への道筋ですから、「好きなときに始められ、好きなときに止められ、好きなときに変更ができる」PPC広告はEコマースのマーケティングに非常に向いているといえます。

 逆に初期の段階で難易度が高いのはバナー広告のような「出稿後に変更できない」広告です。インターネット広告の入稿期限や入稿内容、掲載期限などが明確に決まっている広告は広告スタート後に「外した!!ミスした!!」と思っても後の祭りです。一部、掲載期間内に出稿内容の変更ができる広告もありますが、「すぐにストップ、すぐに変更」は残念ながらできません。インターネット広告の活用に慣れてからチャレンジした方が良さそうです。

 とはいえ、バナー広告がPPC広告よりも成果につながらないか、他のアフィリエイト広告やリワード広告の方が効果が高いのか、というような話になるとまったく別です。商材やアプローチ方法によって広告の成果は変わるので、「実践して検証」しなくてはわかりません。いずれにせよリスクの低く、マーケティングデータの取れる広告からスタートしていきましょう。

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石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。