ECMJ(株式会社ECマーケティング人財育成)

コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則。16【no.1904】

(こちらは2021年公開のコラムです)

 前回コラム(no.1903)のつづきです。

 「コンサルタントが教える!Eコマース成長の法則」というテーマで連載をしています。前回は、「売上ゼロのインターネット広告活用」についてご紹介しました。今回は「成長の流れにEコマースをのせる」についてお話します。

 ここまで書いてきたとおり、売上ゼロのフェイズから成長ラインにのせるためのポイントは「運用改善」にあります。販売する商品、商品の見せ方、ネットショップのコンセプト(対象・ターゲット・ペルソナ)の成果をデータで判断しながら運用改善を繰り返し、お客様からより反応をもらえるカタチに変えていくのです。ネットショップは立ち上げただけでは良いも悪いもありません。運用改善をすることによってベターなカタチに全体最適をはかっていくのです。

 残念ながら、この時点でEコマース事業を終了してしまう会社さんもあると思います。実店舗のようなリアルビジネスとEコマースのようなネットビジネスはその概念が根本から異なります。Eコマース事業をスタートすることで日本全国ひいては世界中がビジネスの対象になる一方、日本中・世界中のEコマース事業者と戦わなければいけないという側面もあります。

 市場の変化へのキャッチアップ(対応)が遅かったり、競合他社と同じような施策をおこなっていたり、どこでも購入できるような商品を売っていたり、ネットショップの運用改善が社内的に継続できない状態になったならば、もしかしたらEコマース事業からの早めの撤退を考えた方が良いかもしれません。リアルの世界ならばインターネットに比べて競合性が下がります。このインターネットが活用される時代ですが、あえてリアルで勝負するというのも策のひとつです。あくまで会社の「強み」を活かすべきです。

 さて、Eコマースが成長ラインにのるためのポイントは「ヒット商品」をみつけることです。これは「ヒットサービス」でも良いですし、「ヒット企画」でも良いのですが、ここでは「ヒット商品」に絞ってお話をしましょう。商品数を増やすのも、データを分析するのも、広告をマーケティングに活用するのも、すべて「ヒット商品」をみつけたいがためです。この「ヒット商品」の『芽』をデータから探していきましょう。

 Eコマース事業において「ヒット商品」が事業の「売上の軸」になることはもちろん、新しいお客様をネットショップによびこむための「導線の軸」にもなっていきます。お客様は「ブランドを知ってから商品を知る、のではなく、商品を知ってからブランドを知る」のです。ブランドで興味をもってもらえたり、商品を買ってもらえたりするのはリアルの世界での「認知」がある会社さんだけで、ほとんどの会社さんは「商品」から「ブランド」や「会社」を知ってもらわなくてはいけません。とにかく商品です。

 自社のネットショップに「ヒット商品」が見つかったならば、お客様のアクセスを「徹底的」に「ヒット商品」に落とし込みます。何らかのカタチで自社のネットショップを訪れてくれたお客様が「ヒット商品」に目をとおすことなくネットショップから離脱してしまっては負けです。必ずお客様の目に触れるように、フッターやサイドナビ、「おすすめ商品」や「関連商品」などの機能を使ってアピールしてください。自動返信メールやメルマガの中に必ずリンクを入れておくなどの対策も効果的です。

 実店舗では同じ商品を複数の棚に分けて並べておくことは常識から外れていることかもしれませんが、Eコマースはお客様が「どこからやってきて、どこで離脱するかわからない」ので、あらゆるところでアピールした方が良いのです。

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ishida

石田 麻琴 / コンサルタント

株式会社ECマーケティング人財育成・代表取締役。 早稲田大学卒業後、Eコマース事業会社でネットショップ責任者を6年間経験。 BPIA常務理事。協同組合ワイズ総研理事。中小機構販路開拓支援アドバイザー。